研究課題/領域番号 |
21K19469
|
研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分53:器官システム内科学およびその関連分野
|
研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
佐藤 公雄 東北大学, 高度教養教育・学生支援機構, 非常勤講師 (80436120)
|
研究期間 (年度) |
2021-07-09 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2023年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2022年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
|
キーワード | 肺高血圧 / 肺高血圧症 |
研究開始時の研究の概要 |
肺動脈性肺高血圧症(PAH)は、依然として内科的根治療法のない致死性疾患である。病態 の基盤は肺動脈血管平滑筋細胞の癌類似の増殖性亢進にあるが、その増殖抑制に着目した根本的治療薬の開発が求められている。これまで我々は、患者由来の肺組織や肺動脈血管平滑筋細胞(PASMC)を用いて網羅的オミックス解析や候補遺伝子・病因蛋白のスクリーニングを行った。病因蛋白にに対するアンタゴニストを作製できれば、これまでとは異なる作用機序による新規PAH治療薬を患者に届けることが可能である。本研究では、全く新しいの治療薬開発を行う。
|
研究成果の概要 |
肺動脈性肺高血圧症(PAH)は、致死性が高い疾患であり、肺移植が唯一の救命手段であるが、ドナー数の限界や右心不全の進行で多くの患者が命を落とす。多剤併用療法でも助けられない重症患者が多く、根本的治療薬の開発が急務である。これまでの研究により、肺高血圧症患者の肺動脈血管平滑筋で発現が5倍以上増加する遺伝子群を発見し、それらが血管平滑筋増殖や内皮細胞機能障害に関与することを確認。これに基づき、既存薬とは異なる作用機序の治療薬開発が期待される。特に、発見した蛋白Aや蛋白Bの抑制によりPAHが改善されることが示され、新たな治療薬開発を進めた。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究による肺動脈性肺高血圧症(PAH)の研究成果は、肺高血圧症の病態解明という点でも大きな意義を持つと考えられる。まず、PAHの病態メカニズムに関与する遺伝子群(蛋白Aや蛋白B)を特定し、これらが肺動脈血管平滑筋増殖や内皮細胞機能障害を引き起こすことを明らかにした。この発見は、PAHの発症と進行の根本原因を解明し、新たな治療ターゲットを提供した。さらに、遺伝子発現変動の網羅的解析を通じて、従来の血管拡張薬とは異なる作用機序を持つ新規治療薬の開発が可能となった。この成果は、PAH治療のパラダイムシフトを促進し、将来的な研究と臨床応用における重要な基盤を築くと考えられる。
|