研究課題/領域番号 |
21K19481
|
研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分53:器官システム内科学およびその関連分野
|
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
柳田 素子 京都大学, 医学研究科, 教授 (70378769)
|
研究分担者 |
桜井 武 筑波大学, 医学医療系, 教授 (60251055)
|
研究期間 (年度) |
2021-07-09 – 2023-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2022年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2021年度: 3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
|
キーワード | エネルギー代謝 / ATP / GO-ATeam2マウス / 人工冬眠 / QIH / 体温 |
研究開始時の研究の概要 |
われわれ恒温動物の体温は一定に保たれている一方、医療現場では人為的に体温を下げることで臓器を保護する「低温療法」を行うが、そのメカニズムは明らかではない。本研究ではエネルギー通貨であるATPを全身で可視化するマウスと、「人工冬眠」を誘導できるマウスを用いて、体温と組織のエネルギー動態、さらに臓器障害および修復との関係の解明をめざす。
|
研究成果の概要 |
研究代表者は若齢メスマウスを用いることで、糸球体ポドサイトのATP観察を可能とし、さらに腎スライス培養を用いて腎臓の全域のATP動態の可視化を行い、各種代謝経路遮断薬を投与することで、腎臓の構成細胞群のエネルギー代謝経路を明らかにした。加えて人工冬眠マウスにおいても、人工冬眠による低体温が腎虚血における近位尿細管でのATP保持をもたらし、腎保護的に働くことを見出した。上記の技術を組み合わせることによって、さらなる人工冬眠の理解と臨床への応用の意義を評価していく。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
人為的な低体温療法は蘇生時や腎臓移植時など、様々な医療現場で用いられており、その有効性が示されている。そのメカニズムとして低体温に伴う代謝変化などが考えられているが、未だ概念的な理解にとどまっている。一方で、災害などに伴う低体温症ではしばしば広範な血栓症や多臓器不全に至ることから、低体温であればどのような状況下でも臓器保護がなされるわけではない。本申請では分担研究者である櫻井武教授らによって報告された顕著な低体温と制御された低代謝を誘導できる「人工冬眠モデル」マウスを用いて、上記の低体温による臓器保護効果、リスクを検証し、人工冬眠の臨床応用への可能性を探った。
|