研究課題/領域番号 |
21K19510
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分54:生体情報内科学およびその関連分野
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
知念 孝敏 九州大学, 医学研究院, 講師 (80432912)
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研究期間 (年度) |
2021-07-09 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2023年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2022年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2021年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | T細胞 / 免疫制御 / 免疫学 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、マウスT前駆細胞のT細胞受容体遺伝子座に、多種類のキメラ抗原受容体(CAR)発現遺伝子を組み込み、胸腺においてCAR発現T細胞を分化させる事を試みる。CART細胞の胸腺分化が通常のT細胞分化と類似の経路をたどるのであれば、多様なレパートリーのナイーブCART細胞集団を揃えられ、ここに免疫を加える事で抗原特異的なCARTを容易に作製する事ができるようになるかも知れない。人工受容体発現T細胞の胸腺内分化を知る事は学術的にも非常に興味深く、また、技術が確立できれば、ヒト疾患治療に用いるCART細胞をマウス体内で効率的に作製すると言った展開も期待できる。
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研究成果の概要 |
細胞培養技術の進歩や遺伝子改変技術の進歩により、細胞の機能を改変する事が可能となり、これを疾患治療に用いる新たな細胞療法の開発が盛んになっている。 キメラ抗原受容体(CAR)を搭載したT細胞(CART)は白血病やリンパ腫に対し有効である事が示されたが、寛解後の再発などいまだ大きな問題が存在し、細胞療法の更なる進化が求められている。 本研究では、キメラ抗原受容体(CAR)を発現させたマウス骨髄細胞がマウス生体内においてどのような分化を遂げるのかの解析を行い、胸腺においてCAR発現細胞が抗原によって選択され、成熟細胞として末梢へ分布するための条件の整理を行った。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
造血系悪性腫瘍に対してはCART細胞療法が一定の成果を挙げているが、細胞療法の分野そのものがいまだ開発初期の段階にある。CART療法に関しては、治療後の再発、固形腫瘍に対する有効性の低さ、医療経済学的な議論など、様々な問題を抱えており、新たなブレイクスルーが求められている。このような現状において、新たな機能を有する可能性を秘める人工受容体発現細胞の生体内分化の道筋を探る事は、将来への備えとして大きな意義を有するものと考える。
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