研究課題/領域番号 |
21K19511
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分54:生体情報内科学およびその関連分野
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
荒木 栄一 熊本大学, 大学院生命科学研究部(医), 名誉教授 (10253733)
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研究分担者 |
阪口 雅司 熊本大学, 大学院生命科学研究部(医), 助教 (90625774)
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研究期間 (年度) |
2021-07-09 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2023年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2022年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2021年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | インスリンシグナル / 糖尿病 / 褐色脂肪組織 / ミトコンドリア / インスリン受容体 / Foxk1 / 核内移行 / インスリン抵抗性 |
研究開始時の研究の概要 |
申請者は、インスリン受容体がインスリン刺激依存的に核内に移動しクロマチンに到達する事実を確認し、その複合体分子群のプロテオミクス解析を行い、Foxファミリー転写因子のFoxK1/2を同定した。FoxO1が核内から細胞質へ移動するのとは異なり、FoxK1/2は細胞質から核内に移動して脂肪細胞のミトコンドリア機能をpositiveに制御する新たなインスリンシグナル経路と考えられた。本研究では、さらに褐色脂肪前駆細胞におけるインスリン受容体β鎖とFoxK1/2核内移動複合体の網羅的解析を行い、新規機能分子の解析によって、インスリンシグナルのミトコンドリア機能制御のメカニズムを明らかにする。
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研究成果の概要 |
脂肪組織にはエネルギーを貯蔵する白色脂肪とは異なり、ミトコンドリアで熱産生によりエネルギーを消費する褐色脂肪が存在する。インスリンシグナルが褐色脂肪のミトコンドリア機能を制御することが明らかとなり、インスリン刺激に応じて核内に移動する転写因子FoxK1を介した経路を同定した。このFoxK1とそのパラログであるFoxK2を介した経路は、従来知られているインスリンシグナルで核から細胞質に移動する転写因子FoxO1とは相反する挙動を示す。転写因子FoxK1/K2が褐色脂肪細胞でエネルギー消費を制御し、肥満治療の治療標的となり得ると仮説を立て検証を行った。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の成果より、FoxK1とFoxK2は褐色脂肪においてミトコンドリア機能を活性化し、エネルギー消費を制御することが明らかとなった。加齢や生活習慣よるインスリン抵抗性を基盤とした肥満症に対して、褐色脂肪組織制御の視点から肥満、2型糖尿病の予防、治療に結びつくものと期待される。
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