研究課題
挑戦的研究(萌芽)
近年、骨細胞におけるホルモン受容体、そして、そのシグナル機構が徐々に解明される一方で、骨細胞が如何にして力学的刺激を感知し応答反応へと繋げ、骨の恒常性を制御しているか?その全貌解明にはいまだ至っていない。本研究では、力学的刺激に伴う骨細胞の応答分子の発現を指標とした新たな網羅的機能スクリーニングと全遺伝子ノックダウン実験から、新たな力学感知分子を同定する。さらに、世界に先駆けた骨細胞特異的な次世代マウスジェネティクスの開発と骨細胞シングルセル解析を展開することで、力学感知分子データベースを構築し、力学的な環境変化に伴う骨恒常性システムを解明する。
骨基質内に埋め込まれた骨細胞は骨を構成する細胞の大多数を占め、その細胞突起で骨内の骨細胞同士、そして、骨表面の破骨細胞や骨芽細胞とも密接な細胞間ネットワークを形成している。従って、骨細胞が力学的刺激やホルモンなど生理活性物質の感知と応答を担う“司令細胞”と考えられている。しかし、骨細胞が如何にして力学的な環境変化を感知し応答反応へと繋げ、骨恒常性を制御しているか、その全貌解明にはいまだ至っていない。本研究提案では、骨細胞の力学的刺激の感知機構を解き明かすことで、動的な骨恒常性の学問的な理解の深化から、骨疾患制御法の分子基盤の確立へ道をつける。
運動など力学的刺激が骨を強くする一方で、宇宙空間や寝たきり状態では速やかに骨は脆弱になることを、我々は経験的に理解している。しかし、骨がどの様に力学的刺激を感知し応答反応に繋げ、骨の動的な恒常性を維持しているのか?いまだ不明な点が多い。骨細胞は力学的な環境変化やホルモン刺激を感知し、相反する機能である骨破壊と骨形成の双方を応答分子の発現により制御している。従って、力学感知分子の同定が必須であるにも関わらず、いまだ未開拓の研究領域である。この重要な問題の解決を試みる本研究は、世界レベルで先駆的で挑戦的な取り組みであり、その成果は骨の恒常性とその破綻機構の統合的な理解に繋がることが期待される。
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すべて 雑誌論文 (11件) (うち国際共著 4件、 査読あり 8件、 オープンアクセス 7件) 学会発表 (21件) (うち国際学会 1件、 招待講演 14件)
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