研究課題/領域番号 |
21K19569
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分56:生体機能および感覚に関する外科学およびその関連分野
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
宮田 治彦 大阪大学, 微生物病研究所, 准教授 (50604732)
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研究期間 (年度) |
2021-07-09 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2022年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2021年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
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キーワード | 男性用避妊薬 / 精巣上体 / プロテアーゼ |
研究開始時の研究の概要 |
日本では年間約20万件もの人工妊娠中絶が行われており、その理由の1つとして望まない妊娠が挙げられる。安全で効果的な避妊法の開発や普及が急務であるが、女性用経口避妊薬が存在する一方、男性用経口避妊薬の開発は成功していない。最近、男性用避妊薬の有望な標的として、精巣上体特異的に発現するプロテアーゼが同定された。本研究では、プロテアーゼ活性を阻害する小分子化合物の探索を行い、男性用避妊薬の開発に挑む。
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研究実績の概要 |
2021年度に同定した精巣上体での精子成熟過程を阻害する化合物についてさらなる解析を行った。この化合物を野生型の雄マウスに3週間投与し、精巣の重量や組織切片を解析したところ、明らかな異常は認められなかった。一方、精巣上体の組織切片では、イニシャルセグメントの上皮の退縮が認められた。これは既に報告されている阻害剤の標的分子のノックアウト (KO) マウスと同じ表現型である。また、阻害剤の投与を中止して3週間後に精巣上体のイニシャルセグメントを観察したところ、上皮は厚くなり、正常な状態に戻っていた。この結果は、投与中止から3週間で雄マウスの妊孕性が回復することと一致している。続いて精巣上体で発現するプロテアーゼについてウェスタンブロットを用いて調べたところ、阻害剤を3週間投与したマウスの精巣上体では、プロテアーゼの量が有意に減少していた。一方で、薬剤投与を中止して3週間後の精巣上体ではプロテーゼの量が回復していた。さらに阻害剤を投与したマウスを調べたところ、雌性生殖路の移行や透明帯結合に関与する精子タンパク質のプロセシングも異常であった。これらの表現型も阻害剤標的分子のKOマウスと同じであり、阻害剤を投与した雄マウスが不妊になるのは、標的分子が制御する経路が阻害されるためだと考えられる。これらの結果から、阻害剤の標的分子が制御する経路が、短期間で有効かつ可逆的な男性用避妊薬の標的となりうることが分かった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2021年度に同定した化合物を投与したマウスについて分子レベルでの解析を行うことにより、精巣上体で発現するプロテアーゼの減少や、雌性生殖路の移行や透明帯結合に関わる精子タンパク質のプロセシング異常を確認することができた。しかし、阻害剤の標的分子のKOマウスの個体化に時間が掛かり、阻害剤投与マウスと標的分子KOマウスの詳細な比較を行うことができなかった。また、精子成熟機構を阻害する新たな小分子化合物を見つけることはできなかった。
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今後の研究の推進方策 |
質量分析やRNAシークエンスを用いて阻害剤投与マウスと標的分子KOマウスの詳細な比較を行う。この解析によって、阻害剤投与マウスと標的分子KOマウスで同じ制御機構が阻害されていることを確認するとともに、制御機構に関与し男性避妊薬の新たな標的となりうる分子が見つかる可能性もある。また、精子成熟機構を阻害する新規小分子化合物を引き続き探索する。
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