研究課題/領域番号 |
21K19574
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分56:生体機能および感覚に関する外科学およびその関連分野
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研究機関 | 札幌医科大学 |
研究代表者 |
小笠原 徳子 札幌医科大学, 医学部, 講師 (00438061)
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研究期間 (年度) |
2021-07-09 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2022年度: 3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
2021年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
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キーワード | 粘膜免疫 / 自然免疫 / RSウイルス / 初代培養上皮細胞 / 分泌型細胞外小胞 / 初代培養細胞 / エクソソーム / 細胞外小胞 / miRNA / 呼吸器感染性ウイルス |
研究開始時の研究の概要 |
同じウイルスに暴露されても、その後の症状は個人個人あるいは同一人物でも時期、年齢、体調によって千差万別である。従来、この症状の差については暴露ウイルス量、宿主獲得免疫誘導能力の違いといった説明がなされていたが明確な科学的解析に裏付けられた確証は未だない。呼吸器感染性ウイルスによる感染が重症化する要素の多くは宿主要因によって決定されるという仮説に基づいて、鼻汁中に分泌される細胞外小胞(エクソソーム)の解析からウイルス種に特異的な重症化予測因子の探索 (疾患特異的バイオマーカー) を行うと同時に、ウイルス種類に関わらずに重症化を予測する因子の探索を行う。
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研究成果の概要 |
感染時における分泌型細胞外小胞(extracellular vesicle; EV)の解析を行い、内容物が重症度マーカーとなるか検討を行った。内容物を同定するために予備検討を行ったがEV内容物のマーカーがタンパク質として検出できなかった。そのため初代培養小児咽頭扁桃上皮細胞にGFP-RSVを感染させ、遺伝子変化の網羅的解析を行った。感染細胞では分泌系タンパク質をコードする遺伝子や複数のmicroRNAの発現上昇が見られた。RSV-NS1に結合する宿主タンパク質の解析では、vesicle関連の宿主タンパク質結合が示唆され、RSV-NS1が宿主タンパク質とともに細胞外に放出されることが示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
呼吸器感染性ウイルスは治療薬開発やワクチン開発が進んでいるが、感染力の強さや罹患率の高さからは、適切な介入因子を探索することも治療薬開発やワクチン開発とともに非常に重要で臨床的、社会的意義が大きい。本研究の遂行によって、これまで知られていなかったウイルスタンパク質単独での放出とバイオマーカーとしての可能性を示すことができ、挑戦的萌芽研究遂行の波及効果として罹患率の高い感染症における有用な介入因子のさらなる解析を進める予定である。
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