研究課題/領域番号 |
21K19575
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分56:生体機能および感覚に関する外科学およびその関連分野
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研究機関 | 岐阜薬科大学 |
研究代表者 |
中西 剛 岐阜薬科大学, 薬学部, 教授 (50303988)
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研究分担者 |
松丸 大輔 岐阜薬科大学, 薬学部, 准教授 (50624152)
水野 健太郎 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 准教授 (70448710)
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研究期間 (年度) |
2021-07-09 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2023年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2022年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2021年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
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キーワード | アンドロゲン / 外性器形成 / 17β-ヒドロキシステロイド脱水素酵素 / トランスジェニックマウス |
研究開始時の研究の概要 |
女性外陰部の男性化を認める疾患群である46,XX性分化疾患(DSD)は、胎生期のアンドロゲン過剰が原因であると考えられているが、その科学的根拠は未だに脆弱なままである。我々はその原因の究明と病態モデルの作製を目的として、Cre組換え依存的にテストステロン合成酵素(17β3E)を高発現するトランスジェニックマウスを作製した。本研究ではこのマウスの表現型を解析することで、XX-DSDモデルとしての有用性を検証するとともに、これを用いた薬物治療法の確立を試みる。本研究成果は、これまで薬物治療の貢献がほとんどなかったXX-DSDに対する薬物治療法確立の重要な一里塚になると期待される。
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研究成果の概要 |
本研究では、Cre組換え酵素依存的に17β-ヒドロキシステロイド脱水素酵素3型と改良型緑色蛍光タンパク質の融合蛋白質を胎生期から高発現させることで、胎仔に高用量のアンドロゲンを曝露できるトランスジェニックマウスを作製し、46,XX性分化疾患(DSD)の病態モデルとしての有用性を確認した。また本疾患モデルマウスを用いて、アンドロゲン受容体拮抗薬を用いた薬物治療の可能性についても検討を行ったところ、胎生期からの投与により外性器形成や生殖機能について一部回復が認められたものの、完全に回復するわけではないことも明らかとなった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
この研究によりXX-DSDがアンドロゲンシグナルの異常に起因することが解明され、アンドロゲンシグナルを抑制する薬物治療によりある程度の回復が見込める可能性が示された。特に外性器の外科的治療では解決できない性自認の問題については、早期に外科的処置とともに対応する必要があると考えられるが、本研究成果をベースにその方法論の確立が期待される。また本モデルマウスを用いて、発生段階および出生以降の生殖器・泌尿器形成に関する病態進行の分子メカニズムを解明できれば、新たな治療薬や治療戦略の確立にも繋がるかもしれない。これらが実現できれば、本疾患における患者のOQLの向上に大きく貢献できるものと期待される。
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