研究課題/領域番号 |
21K19585
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分57:口腔科学およびその関連分野
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
網塚 憲生 北海道大学, 歯学研究院, 教授 (30242431)
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研究期間 (年度) |
2021-07-09 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2022年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2021年度: 3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
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キーワード | ミニモデリング / 骨細胞 / 骨リモデリング / エルデカルシトール / スクレロスチン |
研究開始時の研究の概要 |
ミニモデリングは、骨リモデリングとは異なる様式で誘導される新規の骨形成様式として注目を浴びているが、その機序については不明な点が多い。そこで、本研究では、骨細胞ネットワークによるスクレロスチン抑制、および、骨周囲の血管内皮・周囲細胞群から骨芽細胞・骨細胞への作用(骨血管連関)の両側面から検索することで、ミニモデリングの発生メカニズム、特に、“ミニモデリングファクター”の候補因子を絞り上げてゆきたい。本研究でミニモデリングのメカニズムや誘導ファクターが解明されれば、将来の骨代謝研究・臨床において大きなターニングポイントとなると考えられる。
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研究成果の概要 |
ミニモデリングは、破骨細胞の骨吸収に依存せずに骨芽細胞を活性化させて骨形成を誘導する様式である。本研究では、卵巣摘出ラットに活性型ビタミンDアナログ(エルデカルシトール)を投与して、ミニモデリング部位を検索した。その結果、ミニモデリングの発生箇所・頻度は、骨幹端よりも骨端の骨梁で多いこと、骨端部の骨梁はメカニカルストレスを受けること、また、ミニモデリング部位ではスクレロスチン陽性骨細胞の割合が有意に低下することが示された。よって、エルデカルシトールのミニモデリング誘導作用は、メカニカルストレスを受ける部位でスクレロスチン産生を抑制することで生じると推察された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ミニモデリングは、骨リモデリングとは異なる様式で骨形成を誘導する。これまでに、抗スクレロスチン抗体がミニモデリングを誘導することが知られているが、本研究では、エルデカルシトールがメカニカルストレスのかかる部位においてスクレロスチン産生を有意に抑制して、ミニモデリングを誘導することから、ミニモデリング誘導因子としてメカニカルストレスが強く示唆された。今回の結果は、骨粗鬆症治療において、薬剤治療だけでなく運動療法も組み合わせることで効率的にミニモデリングを誘導し骨量増加につながる可能性が得られた。
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