研究課題/領域番号 |
21K19587
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分57:口腔科学およびその関連分野
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
齋藤 正寛 東北大学, 歯学研究科, 教授 (40215562)
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研究分担者 |
八幡 祥生 東北大学, 大学病院, 講師 (30549944)
田中 志典 東北大学, 大学病院, 講師 (60637958)
祖山 均 東北大学, 工学研究科, 教授 (90211995)
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研究期間 (年度) |
2021-07-09 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
6,240千円 (直接経費: 4,800千円、間接経費: 1,440千円)
2023年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2022年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2021年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 根尖性歯周炎 / 治療抵抗性 / キャビテーション / 破骨細胞 / 骨破壊 / 抗炎症療法 / ドラッグデリバリーシステム / 炎症性腸疾患 / 治療抵抗性根尖性歯周炎 / DDS / 歯内療法 / 免疫療法 / ドラッグデリバリー / 炎症 |
研究開始時の研究の概要 |
口腔、特に顎骨に限局して局所応用する治療技術を社会実装するためには、炎症組織内に分子標的薬を輸送した後に、外部エネルギーによる能動的拡散を必要不可欠とする。本研究では、病態の解明にとどまらず、薬剤の治療標的部位への能動的輸送および拡散を可能とする革新的治療技術の確立を目指す。本課題はこれまで不明であった治療抵抗性の獲得機構を明らかにすることが期待され、得られた分子標的薬の候補について硬組織周囲の炎症に対してキャビテーション技術による薬剤拡散技術を基盤とした革新的治療技術開発までを計画に入れた本研究は、歯学ー医学ー工学を結合させた学術的に創造性の高い研究内容になる。
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研究成果の概要 |
腸管免疫の破綻により発症する炎症性腸疾患(IBD)は、合併症として根尖性歯周炎、歯周炎等の口腔内炎症性疾患のハイリスクになることが知られている。当該研究ではIBDに根尖性歯周炎(AP)を発症させるIBD-APモデルを用いて、腸炎による顎骨破壊増悪化機構の解析を実施した。その結果、IBDを発症することで顎骨内で既に白血球の浸潤が起きており、IBD-APはAP単独と比較して顎骨内で好中球数が増大し、病変による顎骨破壊が増悪化することが観察された。IBD-APによる骨破壊抑制を目的に、レーザーDDS法で免疫抑制剤を病変部に拡散させる新規抗炎症療法で根尖部の顎骨破壊は抑制できることがわ判明した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本格的な超高齢社会を迎えた我が国において、健康寿命の延伸を担うための顎口腔機能の維持管理が重要となる。本研究成果は、標準治療では治癒に導くことができない口腔内炎症疾患の治癒、ひいては歯を保存するための治療技術確立を目指すものであり、口腔を介した患者のQuality of lifeの向上に寄与することができると考えられる。全身疾患による免疫力低下が歯周病や根尖性歯周炎といった口腔内炎症性疾患においても局所の獲得免疫の暴走が起こり慢性炎症を増悪化する病態機構の解明と、硬組織周囲の炎症に対する薬剤拡散技術を軸とした新規治療技術の開発は、治療抵抗性の獲得機構と治療技術の開発に貢献する。
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