研究課題/領域番号 |
21K19590
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分57:口腔科学およびその関連分野
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
片桐 さやか 東京医科歯科大学, 東京医科歯科大学病院, 准教授(キャリアアップ) (60510352)
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研究分担者 |
岩田 隆紀 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 教授 (60431946)
青木 章 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 教授 (30302889)
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研究期間 (年度) |
2021-07-09 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2022年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2021年度: 4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
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キーワード | photobiomodulation / 光エネルギー / ES細胞 / MSC / 歯周病 |
研究開始時の研究の概要 |
申請者らは歯根膜組織由来間葉系幹細胞(PDL-MSC)の臨床研究を行い、安全性と有効性を確認したが、PDL-MSCの確保に抜歯が必須であるため、新たな細胞ソースとしてES細胞由来MSCに注目した。しかし、PDL-MSCとES細胞由来MSCの遺伝子発現が異なり、同等の効果を見込めない可能性がある。そこでMSCを活性化させるphotobiomodulation効果を利用し、PDL-MSCの歯周組織再生能以上のphotobiomodulation活性型ES細胞由来MSCの樹立を目指す。
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研究実績の概要 |
現在一般的に臨床応用されている細胞をリソースとしないサイトカインや成長因子などを応用した歯周組織再生療法は、再生の範囲に限界がある。再生の適応範囲を広げるため、自己歯根膜組織由来幹細胞(PDL-MSC)をシート状に加工してヒトへの移植を実施し、安全性と有効性を申請者らは確認している。PDL-MSCの確保には患者の抜歯が必要不可欠であり、また、iPS細胞には遺伝子変異のリスクがあることから、免疫拒絶のないMSCの細胞ソースとしてES細胞に注目した。 レーザーはphotobiomodulationなどの生物学的効果を持つことが明らかになっている。すでにMSCにレーザーを照射することによって、照射条件によって細胞増殖が促進すること、未分化マーカーであるOCT4の発現が上昇すること、骨分化に有利となるRunx2、Osterixの発現上昇および石灰化が促進することが明らかになっており、照射条件によってMSCの分化制御を行える可能性が考えられる。 ES細胞への適応の前段階として、PDL-MSCに対してEr:YAGレーザー照射による光エネルギーの応用を評価した。6Jでの照射によって、細胞増殖活性が増殖すること、また、6Jでの照射では、週1回の照射で3週間後には石灰化誘導を促進すること、分化に関する遺伝子発現が変化することを見出した。3J, 6J, 8Jでの照射6時間後のRNA-seqによる網羅解析では、共通して細胞シグナル伝達に関する遺伝子発現が2倍以上となった。光エネルギーの応用により、細胞シグナルを調節できることが明らかとなったため、今後本メカニズムの分化制御への応用を目指す。
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