研究課題/領域番号 |
21K19615
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分57:口腔科学およびその関連分野
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研究機関 | 東京歯科大学 |
研究代表者 |
溝口 利英 東京歯科大学, 歯学部, 教授 (90329475)
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研究期間 (年度) |
2021-07-09 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2021年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | 破骨細胞 / 破骨細胞前駆細胞 / GST-RANKL / FACS / RANK |
研究開始時の研究の概要 |
マウス骨髄のRANK陽性画分から破骨細胞分化の全ステージを含む細胞集団を調整し、1細胞レベルのRNAシークエンス解析を行う。得られた情報を基に、破骨細胞分化過程を疑似的に再構成する。遺伝子プロファイルから、各分化段階に特異的に発現する細胞表面抗原の候補を探索する。
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研究実績の概要 |
破骨細胞は骨の維持に必須な骨吸収細胞であるが、前駆細胞の動態については良くわかっていない。この理由として、破骨細胞分化がコミットした前駆細胞 (Committed破骨前駆細胞) が同定されておらず、その性状が未解明であることが挙げられる。その解析を困難にするその要因はCommitted破骨前駆細胞を同定するツールが乏しいためであった。破骨細胞前駆細胞は、RANKLの受容体であるRANKを発現する。我々は、ビオチン化したGST-RANKLを用いることにより、破骨細胞前駆細胞を含むRANK陽性画分を高感度で検出・回収する方法を考案した。今年度は、GST-RANKL、抗B220抗体、抗CSF-1R抗体により得られた2つの画分(B220-/RANK-/CSF-1R+とB220-/RANK+CSF-1R+画分)の破骨細胞分化能をin vitro培養系により解析した。セルソーターで回収した各細胞画分に、CSF-1およびRANKLを添加し、培養1、2、3日後にTRAP陽性単核破骨細胞数を計測した。その結果、培養3日目において、B220-/RANK-/CSF-1R+画分は、B220-/RANK+CSF-1R+画分よりも有意に多いTRAP陽性単核破骨細胞数が認められた。以上より、B220-/RANK-/CSF-1R+画分は、より多くの単核破骨細胞を作り出す起源となる細胞が含まれることが示唆された。一方、破骨細胞前駆細胞は、細胞周期の停止を介して成熟破骨細胞に分化する。したがって、より少ない単核破骨細胞が認められたB220-/RANK+CSF-1R+画分は、細胞周期が停止した破骨細胞分化にコミットした前駆細胞が含まれる可能性が示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
GST-RANKL、抗B220抗体及び抗CSF-1R抗体を用いて分取したマウス骨髄細胞の破骨細胞培養系を実施し、破骨細胞前駆細胞が含まれる細胞画分を明らかにすることに成功した。
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今後の研究の推進方策 |
血流中の破骨細胞前駆細胞についてもGST-RANKL、抗B220抗体及び抗CSF-1R抗体を用いた細胞分取及びin vitro破骨細胞分化培養実験を実施する。
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