研究課題/領域番号 |
21K19633
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分58:社会医学、看護学およびその関連分野
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
神馬 征峰 東京大学, 大学院医学系研究科(医学部), 名誉教授 (70196674)
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研究分担者 |
平林 真衣 東京大学, 医学部附属病院, 特任助教 (00613499)
河添 悦昌 東京大学, 医学部附属病院, 特任准教授 (10621477)
オン ケン・イン・チェン 東京大学, 大学院医学系研究科(医学部), 客員研究員 (30765269)
RoyceCarandang Rogie 東京大学, 大学院医学系研究科(医学部), 客員研究員 (30869243)
篠原 恵美子 東京大学, 医学部附属病院, 特任助教 (40582755)
金子 惇 横浜市立大学, データサイエンス研究科, 准教授 (80825076)
柴沼 晃 東京大学, 大学院医学系研究科(医学部), 講師 (90647992)
桐谷 純子 東京大学, 大学院医学系研究科(医学部), 助教 (90797177)
Miller Russell 東京大学, 大学院医学系研究科(医学部), 客員研究員 (10969653)
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研究期間 (年度) |
2021-07-09 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
6,110千円 (直接経費: 4,700千円、間接経費: 1,410千円)
2023年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2022年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2021年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
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キーワード | Global health / COVID-19 / Natural experiment / Migrant / AIDS / Stillbirth / Mortality / 外国人居住者 / ビッグデータ / 自然実験 |
研究開始時の研究の概要 |
外国人居住者の健康福祉の向上は、国内の社会発展のためにも重要である。しかし、2020年の新型コロナウィルス感染症(COVID-19)流行時の行動制限は、外国人居住者の健康福祉に強い影響をもたらした。この状況下では、通常実現不可能な介入影響を測定し、因果関係を特定しうる自然実験研究を実施できる。本研究の目的は、COVID-19の行動制限が、外国人居住者の健康と福祉に与えた影響を特定することである。そのため第一に、公的統計から得られるビッグデータを用い、外国人居住者群の行動制限開始前後での健康福祉指標の変化を検証する。第二に、制限前後の健康福祉指標の変化と失業等との関連を混合研究によって特定する。
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研究成果の概要 |
2023年度に厚生労働省が収集したビッグデータを基に、COVID-19パンデミック前後にみられた外国人居住者の健康影響についての研究を実施した。まず、新規AIDS発症率について、パンデミック期間に外国人居住者では2.8人から3.8人(人口10万人あたり)に増加しており(日本人は前後とも0.5人)、格差は広がっていた。次に両者の死産率について、日本人に対して外国人居住者では増加傾向がみられた。最後に、パンデミック期間、日本人に比べて、65歳以上の高齢者外国人居住者の死亡率が高くなっていた。このようにCOVID-19パンデミックによって、外国人居住者と日本人との健康格差は拡大していた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では全国データを包括的に用い、パンデミック前後、外国人居住者と日本人との間で健康格差が拡大したことを示した。想定された格差増大の主要因は外国人居住者による医療アクセスへの障壁(外国語の情報不足等)の増加や、国籍によるワクチン接種の格差が生じたことである。それによってCOVID-19の死亡率に加え、HIV感染症や母子保健分野でも健康格差が生じていた。COVID-19パンデミック後、日本における外国人居住者の数は増加してきている。今回の経験をもとに、このような危機が再度発生する前に、健康についての情報提供、保健医療施設へのアクセスの改善など、外国人医療の土台をしっかり固めておくべきである。
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