研究課題/領域番号 |
21K19663
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分58:社会医学、看護学およびその関連分野
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研究機関 | 和歌山県立医科大学 |
研究代表者 |
小森 忠祐 和歌山県立医科大学, 医学部, 准教授 (90433359)
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研究期間 (年度) |
2021-07-09 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2022年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2021年度: 3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
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キーワード | 虐待 / 胸腺 / ストレス / FGF23 |
研究開始時の研究の概要 |
様々な虐待モデルマウスの胸腺におけるFGF23の発現、及び血中FGF23濃度を検討し、FGF23がどの様な虐待のマーカーとして有用なるのかを明らかにする。次に、虐待モデルの一つである絶食モデルの胸腺において、網羅的な遺伝子発現解析を実施し、萎縮胸腺より産生される新規分子の探索や、それらを産生する細胞集団を明らかにし、新規虐待マーカーの発見と胸腺の新たな機能の解明をめざす。さらに、新規虐待マーカーを産生する細胞の一次培養系において、様々なストレス負荷(血清除去、炎症性サイトカインによる刺激など)を行い、それらの細胞におけるストレス応答機序を解明する。
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研究成果の概要 |
児童虐待は深刻な社会問題となっており、その早期発見方法の開発が切望されている。我々は、被虐待者では胸腺が萎縮することに着目し、萎縮胸腺における虐待特異的なストレス応答分子の発見を目指した。本研究の結果より、線維芽細胞増殖因子の一種であるFGF23が虐待など重度のストレス時にのみ増加する分子であること、及びストレスが過去にかかっていたことを長時間追跡できる分子であることが明らかとなった。このことは、FGF23が虐待に特異的、及び隠蔽防止に役立つマーカーとなる可能性を示唆している。また、萎縮胸腺からは、血中に分泌される分子として線維芽細胞増殖因子ファミリーや、アディポカインを候補分子として得た。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
厚生労働省では児童虐待に対して、発生予防、発生時の迅速・的確な対応、被虐待者の自立支援の三点を軸に対策を進めているが、重篤な虐待が後を絶たないのが現状であり、その早期発見へと繋がる特異的的なマーカー分子の発見は社会的に喫緊の課題である。また、胸腺は、T細胞の分化・成熟の場として知られているが、それ以外の機能は不明である。小児期における生体の危機的状況を知らせるアラートシグナルを発する新規の内分泌臓器という、胸腺の新たな役割の発見にも繋がると考えられる。
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