研究課題/領域番号 |
21K19722
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分59:スポーツ科学、体育、健康科学およびその関連分野
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研究機関 | 大分大学 |
研究代表者 |
河上 敬介 大分大学, 福祉健康科学部, 教授 (60195047)
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研究分担者 |
伊東 佑太 名古屋学院大学, リハビリテーション学部, 准教授 (30454383)
紀 瑞成 大分大学, 福祉健康科学部, 准教授 (60305034)
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研究期間 (年度) |
2021-07-09 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2023年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2022年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2021年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
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キーワード | 骨格筋 / 筋機能 / オートファジー / マウス / 加齢 / 運動 / 筋力トレーニング |
研究開始時の研究の概要 |
運動により大量発生した活性酸素は,筋細胞に大きなダメージを与え,変性した不要なタンパク質やミトコンドリアを蓄積させる。この蓄積は細胞にとって有害で,機能低下を引き起こす。運動を「やめた」直後数時間でオートファジーが活性化し,運動により増えた変性細胞内小器官が分解される様である。そこで,本研究では,筋収縮運動停止直後に活性化するオートファジーが,筋肥大とは別の観点から,運動による筋機能向上に寄与するかどうかを検証するとともに,毛細血管やリンパ管の役割を明らかにする。さらに,オートファジー活性に有効な至適運動強度や時間などを明らかにし,加齢筋への有効性を検証する。
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研究成果の概要 |
本研究の目的は,運動停止直後に活性化するオートファジーが,運動による筋機能向上に寄与するかどうかを検証することである.この目的のために,筋萎縮モデルと高齢モデルを用いた.ただ,我々の実験の運動負荷モデルでは,培養細胞で起こるような現象は認められなかった.運動負荷の量や時間が関係していると考える.また,オートファジーによる代謝後産物のクリアランスに重要な筋内リンパ管の運動による形態応答は,高齢マウスと若齢マウスでは異なる事,また速筋と遅筋とでも異なる事が判明した.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
筋肥大に至適とされる高強度の運動は,高齢者や疾患を対象とするリハビリテーションにおいては現実的でない.また,実際の臨床現場では,筋肥大が望めない低強度の負荷で運動処方を行うことが多い.この低強度運動において,筋肥大はみられなくとも筋出力は向上するという“不思議”な現象を多くの療法士が経験する.我々が明らかにしたトリ培養筋管細胞の収縮運動で,収縮運動停止直後数時間でおこるオートファジー活性化による筋細胞内のクリアランスがカギとなると考えられる.本現象とメカニズムが明らかになれば,筋萎縮の患者や高齢者に対して有効な,新たな運動療法の開発につながると考える.
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