研究課題/領域番号 |
21K19752
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分59:スポーツ科学、体育、健康科学およびその関連分野
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研究機関 | 地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター(東京都健康長寿医療センター研究所) |
研究代表者 |
遠藤 昌吾 地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター(東京都健康長寿医療センター研究所), 東京都健康長寿医療センター研究所, 研究部長 (60192514)
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研究分担者 |
柿澤 昌 京都大学, 薬学研究科, 准教授 (40291059)
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研究期間 (年度) |
2021-07-09 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2022年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2021年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
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キーワード | 活性酸素種 / 一酸化窒素 / 8-ニトロ-cGMP / 連合性検出器 / 小脳 / ROS / cGMP / Nitric oxide / PKG / 記憶 / 連合性 / シグナル伝達 / 記憶・学習 / 可塑性 / 長期抑圧 |
研究開始時の研究の概要 |
我々の行動は記憶により制御されている。顔-名前、梅干し-唾液分泌、運動-修正信号のように、多くの記憶は複数の情報を正確に結びつける連合記憶である。この情報の連合性は、記憶の形成のみならず記憶の再生(顔から名前を想起する)にも重要であり、加齢に伴う記憶障害の主因は情報の連合性障害であるとされる。 本研究では、活性酸素種ー8-ニトロ-cGMP系が、記憶の「連合性検出器」として機能するという仮説を検証する。記憶・神経可塑性の「連合性検出器の新しい分子機構」解明を目指す独創的研究であり、生物が産生する「最強の悪玉であるROSが記憶において生理機能を果たす」という新規概念確立を目指す。
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研究成果の概要 |
記憶において「ROS(活性酸素種)/NO(一酸化窒素)/8-ニトロ-cGMP系が情報の『連合性検出器』である」という仮説を検証した。様々な記憶を維持・改善する方法を開発するためには、それぞれの記憶を支える「連合性検出器」の解明が重要である。行動科学的、電気生理学的、生化学的解析により、NO/ROS/8-ニトロ-cGMP系は「連合性検出器」として機能し、小脳の神経可塑性および小脳依存性記憶を制御することを明らかにした。ROSは小脳において重要な生理機能を持つシグナル分子であり、記憶を制御することを明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
小脳は運動のみならず様々な認知機能に関与することが明らかにされつつある。一方で小脳における記憶や情報の処理については未知の部分が多い。本研究では、小脳における情報の処理において、これまで「悪玉」とされてきた活性酸素種(ROS) が小脳機能において重要であることを明らかにした。身体的リハビリテーションなどにおいては、抗酸化物質としてROSの消去剤であるビタミンCやビタミンEが併用されることも多い。一方で、ROSが小脳機能に重要であることから、その使用に注意が必要であることが示唆された。
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