研究課題
挑戦的研究(萌芽)
骨格筋による運動刺激の感知機構は不明な点が多い。最近、運動による筋の代謝リプログラミングに2型自然リンパ球(ILC2)から産生されるIL-13が必要であることが示された。IL-33はILC2の誘導に必要なサイトカインであるが、申請者らは独自に発見した間葉系前駆細胞がIL-33を特異的に発現すること、そして、その発現が運動によって増加することを見出している。運動-間葉系前駆細胞-IL-33-ILC2-IL-13から成る筋代謝リプログラミングカスケードが示唆される。本研究では、「運動-間葉系前駆細胞-IL-33」経路(運動感知経路)について精査し、筋の適応のトリガーとなる機構の解明を目指す。
運動による身体適応の代表に骨格筋の機能強化がある。運動が骨格筋に与える有益な効果は、経験的に知られているだけでなく、科学的にも立証されている。しかし、運動を感知し骨格筋の適応のトリガーとなる機構、言い換えれば、運動が直接的に影響する最も上流の部分は依然として謎に包まれている。これまでは、運動による筋の適応のメカニズムを研究する際に、当然のように筋線維に焦点が当てられてきた。一方、骨格筋組織には筋線維以外にも非筋細胞が多く存在し、その中でも間葉系前駆細胞は特に重要と考えられる。本研究は、運動による筋適応における間葉系前駆細胞の役割を明らかにすることを目的とした。
運動が身体に様々な有益効果をもたらすことは、経験的に知られているだけでなく、科学的にも立証されている。しかし、運動が直接的に影響する最も上流の部分は謎に包まれてきた。本研究では、運動による機械刺激を間葉系前駆細胞が感知し、骨格筋の強化・適応を誘導するメカニズムを明らかにした。本研究の成果は、効果的な運動療法や、運動模倣薬の開発に資する情報を提供し、サルコペニアやフレイルといった老年症候群に対する効果的な解決策の立案につながると期待できる。
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