研究課題/領域番号 |
21K19788
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分61:人間情報学およびその関連分野
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
伊藤 勇太 東京大学, 大学院情報学環・学際情報学府, 特任准教授 (10781362)
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研究期間 (年度) |
2021-07-09 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2022年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2021年度: 3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
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キーワード | 拡張現実感 / Augmented Reality / HMD / Beaming Displays / 光学シースルー / プロジェクター / AR / トラッキング / プロジェクタ |
研究開始時の研究の概要 |
VR技術の普及に伴い、拡張現実感(AR)ディスプレイの商業研究開発が再び盛んになっている。しかし現状の光学シースルー近接眼ディスプレイ(OST-NED)には課題も多く、誰もが日常的に使用するデバイスにはなっていない。今、OST-NED設計は描写性能や電力、着け心地といった、相反する指標のトレードオフによって身動きが取れないでいる。この相克はメガネ側に光学エンジンがあることが原因である。そこで発想を変え、空間に分散した高精細・狭投影領域のプロジェクタ群から、受光メガネに高精細な映像を投影し続ける協働投影システムである、分散型Beaming Displaysを提案する。
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研究実績の概要 |
本研究提案では、ステアラブルプロジェクタによる受光メガネへの映像投影を用いた拡張現実感(AR)ディスプレイ、Beaming Display(BD)の分散化による映像の時空間多重化を目指している。当年度は下記の研究を行った。 ■ステアラブルプロジェクタの遅延低減:BDにおいてプロジェクタから受光メガネへの映像投影遅延は提示するAR映像の位置ずれに直結するため、可能な限り小さい方が望ましい。この遅延を低減するには、プロジェクタのステアリングと受光メガネの位置トラッキングの制御ループをうまく設計することが肝要である。今年度は、昨年度から継続しているステアリングミラーと位置センシング素子による同軸光学系によるステアラブルプロジェクタにおいて、近赤外の光源を併用し、アナログ制御による低遅延ステアリングプロジェクションの原理検証を行い、国際会議への論文投稿を行った。 ■ステアラブルプロジェクタと受光メガネの空間校正システムの設計:複数のステアラブルプロジェクタによるBDシステムを実現するためには、投影部と受光部の6自由度(6DoF)姿勢の空間校正が必須である。つまり、複数のステアラブルプロジェクタやメガネが同じ三次元座標系でどのような姿勢にあるかをシステムが追跡できなければいけない。昨年度の研究から継続し、空間校正問題を解いたうえで、今年度は2台のステアラブルプロジェクタとOutside-inトラッキングシステムを組み合わせた分散型システムの構築を行った。成果をまとめ、国際会議への論文投稿を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
今年度はBDの分散化に向けて要素技術となる各種コア技術の研究を発展させ、コンセプト実証システムの評価や論文執筆など、一定の進捗が出た。
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今後の研究の推進方策 |
今年度開発したステアラブルプロジェクタ2台から受光メガネ1台への分散投影を行う原理検証システムをベースに、時空間多重化等のより高度な映像表現技術の開拓を継続する。 また低遅延なステアラブルプロジェクタの実現に向けた予備検討が進んだため、この方針についても探索を続ける。
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