研究課題/領域番号 |
21K19834
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分63:環境解析評価およびその関連分野
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
綿貫 豊 北海道大学, 水産科学研究院, 教授 (40192819)
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研究分担者 |
西澤 文吾 国立極地研究所, 研究教育系, 日本学術振興会特別研究員(PD) (10838973)
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研究期間 (年度) |
2021-07-09 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
6,240千円 (直接経費: 4,800千円、間接経費: 1,440千円)
2023年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2022年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | リモートセンシング / 海洋保護区 / 保全 / 水禽類 / 海洋環境 / 海洋生態系 |
研究開始時の研究の概要 |
海域は人間活動のさまざまなストレスにさらされており、生物多様性の保全と生物資源の持続的利用のため生物学的ホットスポットを含む海洋保護区の設定が進められているが、外洋における生物情報の収集は容易ではない。ホットスポットの指標として、広範囲を高速で移動し魚群を探し出し採食する、海上から見える唯一の消費者である海鳥を使うという新しいアイデアで、高解像度の衛星画像と直接観察のデータを対比することにより、衛星画像から海鳥採食群を検出する技術を開発する。海洋生態系の消費者の分布を調べるリモートセンシングは初めてであり、この技術は、漁場学、海洋環境学、海域管理など幅広い分野に展開できる。
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研究成果の概要 |
水面の水禽類を衛星画像で計数できるか,地上観測データと比較し、世界ではじめて検証した.ウトナイ湖で得た0.5m解像度のPleiades画像11 枚中4枚で白点を確認できた.地上設置カメラで同時に得た水上のハクチョウ類の位置と数はこれらと一致したが,氷上のハクチョウ類は衛星ではうまくとらえられなかった.冬の全国の湖のPleiades画像の水面の白点数は,撮影の5日以内に実施された地上観測でのハクチョウ類個体数とおよそ一致した.天売島の海鳥コロニーの沖に観察されたカモメ類の小採食群は同時にリクエスト撮影されたPleiades衛星画像では確認できなかった.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
海洋生態系を保全し,持続的利用をはかるため,海洋保護区を設定する必要がある.この技術は保護区の指標として有用な海鳥にも応用することが期待できるので,外洋での重要海域の抽出において,これまでの一次生産や水温などの衛星情報をつかった手法より直接的で新しい手法を提案できる.一方で,海鳥は人間活動に起因するさまざまな海洋ストレス(重油流出事故,プラスチックなど海洋汚染,洋上風力発電)に対して脆弱である.本技術により精度よくまた容易に,海鳥の分布と海洋ストレスの面的重複を知ることができるので,リスクマップの作成により海鳥の保全に資すると期待できる.
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