研究課題/領域番号 |
21K19839
|
研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分63:環境解析評価およびその関連分野
|
研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
田村 雄介 東北大学, 工学研究科, 准教授 (40515798)
|
研究期間 (年度) |
2021-07-09 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2022年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2021年度: 4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
|
キーワード | 放射線源推定 / 移動ロボット / 放射線源探索 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、ガンマ線検出器を搭載したロボットを用いて隠匿された放射線源を迅速に探索する手法の構築を目的としている。隠匿された放射線源を迅速かつ正確に探索するためには、遮蔽物の影響を考慮し、適切な観測地点を選択することが重要である。 本研究では、 前者に対して、機械学習による物体認識に基づいた遮蔽影響推定というアプローチをとる。後者に対しては、空間全体の情報の信頼度とロボットの移動コストを考慮した評価関数を用いたアプローチを採用し、観測地点を決定するアルゴリズムを提案する。 このような2つのアプローチを融合することにより、隠匿された放射線源の迅速な探索を実現する。
|
研究実績の概要 |
原子力災害や、核物質テロ等への対応のために、迅速に放射線源の位置を特定し、除染・除去を行うことが求められる。人間作業者の被曝リスクを低減するため、ガンマ線検出器を搭載した移動ロボットを用いて放射線源を探索することが有効である。放射線源は隠匿されていたり、意図的でなくても壁の奥などに存在することがあるため、放射線源の位置推定においては、遮蔽の影響を考慮する必要がある。本研究では、遮蔽物の影響を推定し、適切な位置で観測を行う事によって迅速に放射線源を探索する手法の構築を目的としている。
物体認識に基づくガンマ線の減衰推定手法に関して、令和3年度にはカメラ画像を用いた物体認識手法を検討したが、計測可能範囲等を考慮した結果、令和4年度は3次元LiDARを用いた物体認識手法を用いることとした。具体的には、移動ロボットに搭載された3次元LiDARによって得られた点群データから、移動ロボット周辺にある構造物を認識するシステムの構築を行った。3次元物体認識においては、Open3DおよびSemanticKITTIデータセットを用いた。
また、認識された構造物の材質及び厚さを考慮して、遮蔽の影響を補正する手法を開発した。Robot Operating System(ROS)を用いて、ガンマ線検出器を搭載した移動ロボットが環境中を動き回って点線源を計測するシミュレーション実験を行い、構造物による遮蔽の影響が適切に考慮されていることを確認した。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
実機移動ロボットを用いた実験まで行うことができていない。これは、令和4年度は物体認識手法の改良に注力したためであり、物体認識及びガンマ線の減衰推定については当初想定以上の成果が得られつつある。
|
今後の研究の推進方策 |
今後は、令和3年度、令和4年度に構築した物体認識、減衰推定、観測経路生成の方法を統合し、ロボットを用いた実験・評価を行う予定である。
|