研究課題/領域番号 |
21K19858
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分64:環境保全対策およびその関連分野
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研究機関 | 東京農工大学 |
研究代表者 |
小池 伸介 東京農工大学, (連合)農学研究科(研究院), 教授 (40514865)
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研究期間 (年度) |
2021-07-09 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2022年度: 3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2021年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
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キーワード | 動物遺体 / 分解 / 大型脊椎動物遺体 / クロバエ / スカベンジング / 大型動物 / 野生動物 |
研究開始時の研究の概要 |
スカベンジャー(腐肉食動物)は、スカベンジング(死肉の採食)を通して有害な病原菌の蔓延の原因となる動物死体を生態系から除去することで、生態系の安定性に寄与していることが知られる。このため、動物死体の分解速度は生態系機能の重要な指標として扱われる。しかし、これまでの先行研究は、そのほとんどがスカベンジャーの中でも脊椎動物と無脊椎動物を別々に扱っており、動物死体の分解過程における脊椎動物と無脊椎動物の相対的な役割は明らかにされていない。そこで、本研究は様々なカメラの他にシカ死体の温度変化に注目することで、脊椎動物と無脊椎動物のシカ死体消費量を定量化を目指す。
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研究成果の概要 |
大型動物死体の分解には、多様な生物が関与しているが、中でも死肉食性双翅目幼虫は、脊椎動物不在下で死体の9割を分解するなど、死体分解に大きく寄与するとともに、分解期間を短縮させる。本研究では双翅目幼虫による大型脊椎動物死体分解期間の季節差とその差が生じる要因を明らかにすることを目的とする。実験の結果、春と秋には分解に要する時間が増加し、夏には減少した。また、有効積算時度に対する死体重量の減少率は、夏と秋でほぼ一定であるのに対し、春には大幅に増加したことから、幼虫の活動には温度だけでなく、その時々の種組成が大きく影響することが示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
大型動物死体の分解には、多様な生物が関与しているが、中でも死肉食性双翅目幼虫は、脊椎動物不在下で死体の9割を分解するなど、死体分解に大きく寄与するとともに、分解期間を短縮させる。また、双翅目幼虫の出現有無や分解速度は季節により変化することが知られる。その理由として、双翅目幼虫の季節による分解速度の差は温度や湿度、種組成によるものだと考えられていたが、それらの要因を明らかにすることが出来た。本結果で得られた知見は、今後のシカの管理、特に駆除残滓の取り扱いを検討するうえで重要な知見となるであろう。
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