研究課題/領域番号 |
21K19866
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分64:環境保全対策およびその関連分野
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
金田一 智規 広島大学, 先進理工系科学研究科(工), 准教授 (10379901)
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研究期間 (年度) |
2021-07-09 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2023年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
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キーワード | 海洋性アナモックス細菌 / 閉鎖循環式陸上養殖 / 窒素除去 |
研究開始時の研究の概要 |
世界人口の増加や健康指向の高まりにより魚介類の需要が高まっており、海水の交換が不要な閉鎖循環式陸上養殖が注目されている。海水を交換せず循環再利用する場合、残存する餌や排泄物由来の有毒なアンモニアの除去(硝化)、硝化生成物である硝酸の除去(脱窒)が必要となり、効率化が課題であった。そこで本研究では、申請者らが保有する海洋性アナモックス細菌の高濃度集積培養系を閉鎖循環式陸上養殖の窒素除去プロセスとして導入し、世界的な魚介類の需要増に対応できる次世代型の閉鎖循環式陸上養殖の構築を行う。
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研究実績の概要 |
世界人口の増加により食料の安定確保と持続可能な食料生産が求められており、持続可能な養殖として海水の交換が不要な閉鎖循環式陸上養殖が注目されている。閉鎖循環式陸上養殖は、飼育水を循環利用するため立地を選ばない、飼育環境の人為的管理が可能等のメリットを有するが、飼育水の循環使用に必要な設備が多く、維持管理コストが普及の妨げとなっている。特に、アンモニアを酸化する硝化装置は普及しているが、硝化で生成した硝酸をN2ガスへ脱窒する装置は普及していない。本研究では、海洋性アナモックス細菌を閉鎖循環式陸上養殖の窒素除去法として導入し、立地を選ばず海水の交換頻度が極めて低い次世代型の閉鎖循環式陸上養殖システムの開発を目的とする。 閉鎖循環式陸上養殖の飼育水を処理するためには、海洋性アナモックス細菌のバイオマス確保が重要となるが、海洋性アナモックス細菌の培養条件は最適化されていない。2022年度は海水成分以外に培地へ添加しているミネラル分としてリンに着目し、実験を行った。具体的には、淡水性のアナモックス細菌の培地と同様にリンを6.15 mg-P/L添加した系(対照系)とリンを0 mg-P/Lとした系で連続式にて窒素除去性能の比較を行ったところ、リンを0 mg-P/Lとした系では窒素除去性能が低下することが明らかとなった。リンを0 mg-P/Lとした系にリンを6.15 mg-P/L添加したところ、窒素除去性能が回復する傾向が得られた。この結果より、海洋性アナモックス細菌の活性維持にはリンの添加が不可欠であることがわかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
海洋性アナモックス細菌の大量培養方法を確立するための培地の検討項目を絞ることができた。
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今後の研究の推進方策 |
2023年度は海水成分以外に培地へ添加している微量金属元素とミネラル分の必要性について検討する。また、定量PCR法による海洋性アナモックス細菌の増殖量を把握することで、最適化された培地組成を増殖の観点からも評価する。
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