研究課題/領域番号 |
21K19901
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分90:人間医工学およびその関連分野
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
鳴瀧 彩絵 名古屋大学, 工学研究科, 教授 (10508203)
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研究分担者 |
高橋 倫太郎 名古屋大学, 工学研究科, 助教 (10794125)
尾上 順 名古屋大学, 工学研究科, 教授 (50241245)
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研究期間 (年度) |
2021-07-09 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2022年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2021年度: 4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
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キーワード | タンパク質 / ナノファイバー / 導電性 / 分子集合体 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、タンパク質工学を駆使することで、生体(細胞)に接続可能で、導電性を有し、かつ伸縮可能なタンパク質ナノワイヤを創製することを目的とする。これら諸特性を満たす材料は未だかつて創製されておらず、本研究は、バイオエレクトロニクス分野に新たな潮流をもたらす挑戦的研究である。
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研究成果の概要 |
本研究の成果は、組換エラスチンからなるタンパク質ナノファイバーの導電性とその機構を明らかにし、導電性向上のための分子設計指針を得たことである。超高真空クライオ二探針電気伝導測定で組換エラスチンGPPGナノファイバー薄膜の電気伝導特性を評価すると真空中では絶縁体であった。大気中二端子IV測定および交流インピーダンス測定では湿度上昇により電気伝導性が向上し、プロトン伝導体としての特徴を確認した。ナノファイバー分散液の小角X線散乱測定から、ナノファイバーの分子集合構造に関する知見を得た。これらの結果から導電性向上に有効と考えられるアミノ酸配列を考案し、数種類の誘導体を作製した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
研究代表者が開発してきた組換エラスチンタンパク質ナノファイバー及びハイドロゲルは、細胞接着性や特異な粘弾性特性を持つ新素材として注目されている。本研究により、このタンパク質ナノファイバーが真空中で絶縁体、水蒸気存在下でプロトン伝導体であることが示され、さらに、タンパク質ナノファイバーの分子集合構造に関する知見及び導電性向上のための分子設計指針が得られた。これらは、生体親和性が必要とされる場面でのプロトン伝導体としての応用、細胞間情報伝達、あるいは非線形粘弾性を活用した電気伝導性の制御など、幅広い応用と新たな学術を拓く研究成果であると考える。
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