研究課題/領域番号 |
21K19911
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分90:人間医工学およびその関連分野
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研究機関 | 鳥取大学 |
研究代表者 |
中村 貴史 鳥取大学, 医学部, 教授 (70432911)
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研究期間 (年度) |
2021-07-09 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2022年度: 4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | がん / ウイルス療法 / 免疫回避 / ドラッグデリバリー / バイオテクノロジー |
研究開始時の研究の概要 |
がんウイルス療法は、がん患者における抗がん効果と安全性が実証されつつあるが、がん治療用ウイルスの投与経路は主に腫瘍内であるため、体表にあるがんや超音波・CTガイド下にて直接投与可能ながんに限定される。ウイルスを腫瘍内投与ではなく血管内投与できれば問題は解決するが、これには血中での宿主免疫による不活化を回避しながら効率よく腫瘍まで到達させる必要がある。そこで本研究では、反復血管内投与可能なステルス型がん治療用ウイルスの創出を目指す。
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研究成果の概要 |
本研究では、ワクシニアウイルスの宿主由来外膜に覆われた感染粒子に着目し、外膜上の宿主免疫の標的となっているウイルス膜蛋白を欠失することで元来の免疫回避能をさらに向上させ、かつウイルス産生に関与するウイルス蛋白に変異を導入することで産生効率を向上させた。これらの改良と併せて簡便で効率の良い製造工程を構築することによって高力価ウイルス液を調製することに成功し、マウスにおいて血管内投与により腫瘍に到達できるステルス型腫瘍溶解性ワクシニアウイルスの可能性を示した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ウイルス療法は、局所療法が全身のがんにも治療効果を及ぼす革新的がん治療法であるが、ウイルス製剤の投与経路は主に腫瘍内であるため、体表にあるがんや超音波・CTガイド下で投与可能ながんに限定される。この問題を克服すべく本研究では、血管内投与により腫瘍に到達できるステルス型腫瘍溶解性ワクシニアウイルスを提案し、マウスモデルを用いて、あらゆるがん種をウイルス療法の対象とするための基盤技術となり得ることを示した。
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