研究課題/領域番号 |
21K19970
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0101:思想、芸術およびその関連分野
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研究機関 | 佛教大学 |
研究代表者 |
吹田 隆徳 佛教大学, 総合研究所, 特別研究員 (70910751)
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研究期間 (年度) |
2021-08-30 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 薬師 / 聞名思想 / 浄土思想 / 浄土経典 / 薬師経 / 灌頂経 / 浄土教 / 大乗経典 / 誓願 / 大乗仏教 |
研究開始時の研究の概要 |
《薬師経》を対象とした研究には現在進展が見られず、過去の研究においても原典批判ならびに思想研究が十分に行われているとは言い難い。この経典はサンスクリット原典が現存することから、より古い情報を伝える漢訳などは資料として注目されてこなかった。そこで本研究では、最も古い資料となる『灌頂経』(巻十二)の主な分析に基づいて、薬師仏成立の謎を解明する。また《無量寿経》といった他の浄土経典との比較によって、インドにおける浄土教が《薬師経》に至ってどのような展開を見せたのかを明らかにする。これにより《無量寿経》《阿シュク仏国経》へとインド浄土教の思想を遡る研究基盤を構築する。
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研究成果の概要 |
聞名思想を手がかりに『薬師経』の発達史を明らかにした。すなわち、この経典が発達する初期の段階では、薬師仏の功徳を説く部分に聞名思想が付加され、その後に願文へと付加されていったというものである。さらに、後代の編纂者たちが、本来は「経を聞く」とあった部分を「仏名を聞く」と改めることによって聞名思想を付加したということ、そして、それが5世紀から7世紀のあいだに起こった思想的変化であるということを明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
大乗経典は時代の経過と共に増広されるのが常である。経典は各々が個別の発達を遂げているため、増広の仕方に一貫性を求めることはできないが、本研究では、『薬師経』にかんして、どのような方法で思想が付加されたのか、さらに、それが何世紀頃のことかということを具体的に明らかにした。これにより、大乗経典の中でも、特に浄土経典の発達にかんする一つのモデルケースを他の研究者に提供することができた。また、浄土経典を対象とした研究会を定期的に開催し、その中で若手と老練の研究者の交流をはかり、我が国における浄土経典研究のレベルアップに努めた。
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