研究課題/領域番号 |
21K19987
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0102:文学、言語学およびその関連分野
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研究機関 | 南山大学 (2022) 九州大学 (2021) |
研究代表者 |
林 愼将 南山大学, 国際教養学部, 講師 (00908171)
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研究期間 (年度) |
2021-08-30 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2021年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
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キーワード | 生成文法 / ミニマリストプログラム / ラベル / インターフェイス / 一致 / 格 / 日本語 / 関係節 / 一致現象 / 比較統語論 |
研究開始時の研究の概要 |
言語の一致現象は、最も近い要素とのみ可能となる統語的最小性に従う特性があり、そのための操作としてAgreeが提案された。一方で、Agreeには問題となる一対多の一致も知られている。この二重性を説明するため、本研究ではラベルを用いて一致を部分的に感覚運動インターフェイスの現象だと考える。この提案はChomsky 2013以降のラベル理論において、ラベルが構造の解釈を決定する見方の自然な帰結である。本研究により通言語的に様々な振る舞いをする一致現象の全容解明に貢献でき、また、インターフェイスの要請により統語構造に与えられるラベルが、解釈の際どのように働くのかを明らかにすることも期待できる。
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研究成果の概要 |
本研究では、統語論において構築された統語構造がインターフェイスでどのように解釈されるかという問題に対し、ラベル理論の枠組みから考察を行った。従来統語論で行われると考えられていた一致現象や格付与メカニズムをインターフェイスの解釈の中で起こると考えることにより、人間言語に見られる様々な一致、格システムを捉えることが可能であることを示し、また、インターフェイス解釈という観点から日英語関係節やコピー関係、ドイツ語の部分的wh移動を考察することで、現象の解明と文法理論構築に寄与した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、ミニマリストプログラムの枠組みの下で、構造構築部門である統語論で作られた構造に与えられるラベルが、構造解釈においてどのような役割を担うかを考察し、インターフェイスでの解釈のメカニズムを明らかにした。様々な言語に見られる一致、格付与システムが提案するメカニズムにおいて統一的に捉えられることを示し、人間言語の一見したところの多様性と、それらの背後にある共通性を示し、文法理論構築に寄与した。
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