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19世紀における国学者の歴史意識と遺跡・遺物観

研究課題

研究課題/領域番号 21K20041
研究種目

研究活動スタート支援

配分区分基金
審査区分 0103:歴史学、考古学、博物館学およびその関連分野
研究機関一橋大学

研究代表者

古畑 侑亮  一橋大学, 大学院社会学研究科, 研究補助員 (10906902)

研究期間 (年度) 2021-08-30 – 2023-03-31
研究課題ステータス 完了 (2022年度)
配分額 *注記
2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
キーワード根岸武香 / 井上淑蔭 / 色川三中 / 考古 / 好古 / 神話的世界観 / 西欧学知 / 風土記 / 天文学史 / 考古学的知識 / 石剣 / 陰陽石 / 考古学史 / 史学史 / 平田国学 / 江戸派
研究開始時の研究の概要

本研究は、幕末・明治を生きた個々の国学者に視座を置くことで、その思想的背景を含めて19世紀における遺跡・遺物観の変容を明らかにするものである。
具体的には、埼玉の国学者である根岸武香(平田派)と井上淑蔭(江戸派)を取り上げ、彼らの書簡や著作を全国の所蔵機関にて調査する。現地で撮影した写真データを翻刻・分析し、①西洋考古学の知識と国学思想の相克、②歴史意識と遺跡・遺物観との関係、③草創期の近代アカデミズムとの関係の3点を解明する。そして、①~③における平田派と江戸派との間での共通点と相違点を明らかにする。これらの作業を通して、考古学史と歴史学、そして国学研究の成果を総合化することを目指す。

研究成果の概要

根岸武香と井上淑蔭の書簡や著作の比較検討の結果、現代考古学のように遺跡やモノに基づいて考えることは国学者にとって当たり前ではなく、むしろ神典・史書による考証が遺跡・遺物認識を大きく規定していたことが浮き彫りとなった。明治10年代以降、西洋考古学書の受容によって学知が更新されていく中でも文献考証による拘束性は根強く引き継がれていく。その傾向は西洋天文学の受容においても同様であった。なかでも淑蔭は海外にも目を向け、外国の書籍も参考にするべきとの柔軟な態度を示していた。しかし、西欧の学知ももともとは日本で説かれていたものとして解釈され、国学思想に包摂されてしまう宿命にあったことが明らかとなった。

研究成果の学術的意義や社会的意義

本研究は、江戸派をはじめとした国学の明治初期における地域的な展開の事例として近代への展望を示す成果となった。また、考古学・天文学を事例に西欧学知の受容実態を描き、既存の学問による規定性の強さを明瞭にした。個々人に視座を置き、思想的背景を含めて分析していくことで、諸分野の成果を総合化する方法を具体的に提示できたと考える。
さらに、草創期のアカデミズムの周辺で活動していた国学者の視座からアカデミズム史学の歴史叙述に関する諸研究を逆照射する成果でもあり、転換期にある現代の大学と社会との関係を問い直す手がかりとなるはずである。

報告書

(3件)
  • 2022 実績報告書   研究成果報告書 ( PDF )
  • 2021 実施状況報告書
  • 研究成果

    (7件)

すべて 2023 2022

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (3件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] 幕末における国学者の文献考証と遺跡認識 ―色川三中『黒坂命墳墓考』稿本の比較から―2023

    • 著者名/発表者名
      古畑侑亮
    • 雑誌名

      土浦市立博物館紀要

      巻: 33 ページ: 26-39

    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
  • [雑誌論文] 《報告要旨》明治初期における国学者の文献考証と遺物認識―井上淑蔭の石器研究を中心に―2023

    • 著者名/発表者名
      古畑侑亮
    • 雑誌名

      史鏡

      巻: 6 ページ: 8-9

    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] 明治初年における国学者の文献考証と遺物認識 ―井上淑蔭の石剣研究―2022

    • 著者名/発表者名
      古畑侑亮
    • 雑誌名

      考古学ジャーナル

      巻: 770 ページ: 43-48

    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
  • [学会発表] 幕末・明治初期における西欧学知と国学思想の相克―井上淑蔭の天文学研究をめぐって―2023

    • 著者名/発表者名
      古畑侑亮
    • 学会等名
      関東近世史研究会3月例会
    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
  • [学会発表] 明治初期における国学者の文献考証と遺物認識―井上淑蔭の石器研究を中心に―2022

    • 著者名/発表者名
      古畑侑亮
    • 学会等名
      第10回歴史論研究会関東部会例会
    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
  • [学会発表] 明治初期における考古学的知識の受容と遺跡・遺物観―埼玉県域の国学者を中心に―2022

    • 著者名/発表者名
      古畑侑亮
    • 学会等名
      第6回日本文化研究所研究会
    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
  • [図書] 『歴史で読む国学:コラム「Ⅱ 歌文派と古道派」「Ⅳ 国学者の蔵書」「Ⅴ モノと国学者」』(古畑侑亮)2022

    • 著者名/発表者名
      一戸渉・遠藤潤・小田真裕・木村悠之介・齋藤公太・武田幸也・問芝志保・古畑侑亮・松本久史・三ツ松誠
    • 総ページ数
      304
    • 出版者
      ぺりかん社
    • ISBN
      4831516112
    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書

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公開日: 2021-10-22   更新日: 2024-01-30  

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