研究課題/領域番号 |
21K20047
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0103:歴史学、考古学、博物館学およびその関連分野
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
菅野 智博 慶應義塾大学, 経済学部(日吉), 准教授 (60827814)
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研究期間 (年度) |
2021-08-30 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 満洲 / 中国東北地方 / 農村社会 / 土地改革 / 農業集団化 / 農村経済 / 労働力 / 農家経営 / 互助組 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、中国東北地方で実施された土地改革や農業集団化運動に着目し、これらの諸政策が農家経営と農村経済にもたらした影響の分析を通して、1940年代末から1950年代初頭までの中国農村経済の特徴と変容を解明するものである。 1945年以降の東北地方の地域社会の変容を分析し、その特徴や連続性・非連続性を明らかにすることは、当該地域社会を総体的に理解できるばかりでなく、中国農村史研究全体に新たな視点を加えることにも寄与し、さらには中共による農村政策や政治運動の意義や展開を分析するための重要な手がかりにもなりうる。
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研究成果の概要 |
本研究は、従来の研究が十分に検討されなかった中国東北地方の土地改革や農業集団化に着目し、1945年以降における当該地域社会の変容について社会経済史の視点から初歩的な考察を行った。新型コロナの影響により、当該テーマに関する現地調査は十分に行えなかったが、これまで収集した史料の整理や初歩的な分析を通して、生産手段や労働手段を集中投下する大農経営がより合理的な経営方式であった東北地方において、土地改革による「均分化」はその特徴に背馳する政策であった。むしろ、1940年代末から段階的に導入された農業集団化の方が東北地方の農業生産に適する政策であったといえる。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
現代中国においては、三農問題や出稼ぎ労働者問題、格差問題など農村をめぐる様々な問題が深刻化し、日本のメディアでもしばしば取り上げられている。これらの社会問題や現代中国農村のダイナミズムを理解するためには、より長い時系列の中で農村社会の変化や問題の歴史的背景を解明する必要がある。本研究は、中国東北地域社会の歴史的変化ばかりでなく、現代中国農村や中国社会を考えるための重要な手がかりにもなりうる。そして、これはまた日本が等身大の中国社会の姿を理解することにもつながると考える。
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