研究課題/領域番号 |
21K20050
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0103:歴史学、考古学、博物館学およびその関連分野
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研究機関 | 中央大学 |
研究代表者 |
畑山 智史 中央大学, 人文科学研究所, 客員研究員 (00907595)
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研究期間 (年度) |
2021-08-30 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 貝殻成長線 / 硬組織 / 熱変成 / 酸素同位体 / 貝塚 / 放射性炭素 / 調理 / 海水温度 / 酸素同位体比 / 生物硬組織 / 縄文時代 / 熱変性 / 季節性 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、貝塚出土資料を用いて、完新世における古環境を明らかにすることが目的である。研究方法は、貝殻に記録された成長線および同位体・微量元素を指標として、古環境の復元に取り組む。とくに本研究では、煮炊きなどによる貝殻への影響に注目して、熱量と貝殻硬組織の構造変化ならびに同位体・微量元素の変化を明らかにする。その結果を基に、これまで分析されてきた貝殻資料の再検討を実施して、古環境の復元を目指す。
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研究成果の概要 |
本研究は、完新世における日本列島の環境を明らかにするために内湾に生息する貝類の貝殻を試料として、加熱実験をおこなった。その結果、貝殻の表面の変化は、300℃、45分間よりみられ、白色から灰褐色に変化した。貝殻切断面の成長線は、約300℃・45分間より、消失し始めた。海水温度の指標となる酸素同位体比は、200℃、30分間の燃焼より、減少した。また同一条件で 300℃、30分の燃焼においても酸素同位体比は、減少した。45分、60分間の燃焼でさらに減少傾向があった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
これまでに海水温度の測定が適さないとされてきた内湾に生息する貝類の貝殻を試料として、過去の環境を明らかにできる可能性が見出された。世界的にも貝塚の密集地域である日本列島は、少なくとも約1万年前から現在までの貝殻試料があり、本研究の展開によっては、今後の地球温暖化等の理解に貢献できる。また貝殻に対する調理工程の温度が推定できることから、世界的にも注目されている「和食」などの食文化史の解明にも応用できるであろう。
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