研究課題/領域番号 |
21K20120
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0107:経済学、経営学およびその関連分野
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
谷川 みらい 東北大学, 経済学研究科, 助教 (10912347)
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研究期間 (年度) |
2021-08-30 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
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キーワード | 官業払下げ / 工場払下ケ概則 / 鉱山 / 開拓使 / 工部省 / 佐佐木高行 / 北海道 / 東北地方 / 黒田清隆 / 工場払下概則 / 中央・地方 / 鉱山払下げ / 官営事業 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、明治前期の日本における官営事業払下げ政策の展開を、中央と地方、官と民の対抗関係に着目しつつ論じるものである。これにより、「官営事業と官業払下げは、日本の経済的中央集権化の過程にどのように位置づけられるのか」という問いに答えることを目指す。 従来の官業払下げ研究では、中央政府の払下げ政策に対する地域社会の対応が持った意味、払下げの公正性を担保しようとする動きがあったもののそれが挫折したことの意味、そして北海道における官営事業やその払下げをめぐる動きは全国的な払下げ政策といかに連関するのかという問題が、ほとんど論じられてこなかった。本研究では、史料の読解に基づき、これらを統合して論じる。
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研究成果の概要 |
官営事業払下げ政策の展開を中央と地方、官と民の対抗関係に着目しつつ論じた。特に、明治10年代前半の北海道における開拓使の事業とその払下げ計画、そして同年代後半における東北地方の鉱山払下げをめぐる動向に焦点を合わせた。前者については、開拓使の官員が官営事業を商人に委託するのではなく自ら業務を行うことに強い意欲を持っており、これがいわゆる「開拓使官有物払下げ事件」の背景となったことを明らかにした。後者については、官営鉱山の払下げにあたり、鉱山周辺地域の人々の多くが自分たちへの払下げや官営維持を求めていたことを明らかにし、工部卿佐佐木高行らが彼らの希望を受け入れなかった理由を検討した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
従来の官業払下げ研究で捨象されることの多かった、北海道における開拓使事業と、払下げ対象事業の周辺地域の人々に焦点を合わせ、全国的な官業払下げの過程に位置づけることを試みた点に学術的意義がある。 国営・公営・私営といった事業経営形態の選択、それらが地方経済に及ぼす影響、民営化に際しての公正性の確保といった問題について歴史的に検討するものであり、現代社会における同様の問題に対しても示唆を与えられると思われる。
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