研究課題/領域番号 |
21K20171
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0107:経済学、経営学およびその関連分野
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研究機関 | 流通科学大学 |
研究代表者 |
三浦 玉緒 流通科学大学, 商学部, 講師 (80907402)
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研究期間 (年度) |
2021-08-30 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | シェアリングエコノミー / 所有 / 消費者行動 / サービス・マーケティング / Access-based consumption / デジタルプラットフォーム / シェアリング / サブスクリプションサービス / 所有権 / 使用価値 / サービス品質 |
研究開始時の研究の概要 |
消費者の消費行動は、購入するだけではなく利用するシェアリングが合理的な選択肢として定着してきた。しかし、従来の消費者行動の購買意思決定プロセスは、所有権の移転を前提としておりシェアリングを含めた多様な消費モードを考慮していない。 本研究では、消費者行動の観点から、シェアリングを含めたさまざまな消費モードで検討される選択肢の間の代替関係を生む要因を解明する。また、シェアリングサービスの継続利用につながるサービス品質や顧客満足の向上に影響を与える商品・サービスの価値を高める要因についても解明する。 本研究によって、企業がシェアリングエコノミーの進展に対応する手立てが明らかになることが期待される。
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研究成果の概要 |
近年、技術の発展に伴い、所有に代わる様々な消費モードが出現している。本研究では、シェアリングサービス(SS)の利用者を対象とした質的、量的調査の結果を分析することにより、消費者特性を分類する2つの次元、1)代替と補完、2)製品関与の高低を導出し、これらの次元が所有とSSの選択とその後の利用パターンを規定する要因に影響を与えることを明らかにした。特に、補完タイプは代替タイプよりも利用頻度、継続利用意向、購入意向が高く、この効果は製品関与度が高いタイプにおいて顕著であった。 この結果は、シェアリングエコノミーの進展に対応した消費者行動研究やマーケティング戦略の開発に示唆を与える。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
従来、消費者行動研究は、主に所有を前提に製品カテゴリー内でのブランド間選択を扱ってきた。しかし、所有に代わる新しい消費モードの出現は、製品カテゴリーを超えた消費者の選択に取り組む必要性を示唆している。抽象的な動機や価値観は、製品カテゴリーを超えた選択に影響を与える。本研究で提案した、消費者特性を分類する2つの次元、1)代替と補完、2)製品関与の高低は、消費者の高次の内在的要因であり新しい消費モードに対応する消費者行動研究の発展に示唆を与える。 また、新しい消費モードを選択する消費者特性の理解は、従来の所有に基づく産業の縮小や環境問題の削減に与える影響を分析する際にも求められる視点である。
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