研究課題/領域番号 |
21K20175
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0108:社会学およびその関連分野
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
俣野 美咲 東京大学, 社会科学研究所, 特任助教 (00908345)
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研究期間 (年度) |
2021-08-30 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 社会的不平等 / 格差 / 親子関係 / 世代間支援 / ライフコース / 世代間援助 / 成人期への移行 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、子世代の社会的不平等・格差に対し、親子間での経済的支援・非経済的支援の授受がいかなる影響を及ぼしているかを大規模縦断データの計量分析によって明らかにする。その際、祖父母、親、子の3世代の関係に着目し、(1)親と子の支援関係が子世代へ及ぼす影響、(2)祖父母と子の支援関係が子世代へ及ぼす影響、(3)祖父母と親との支援関係が子世代へ及ぼす影響について検討する。
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研究成果の概要 |
本研究では、祖父母・親・子の三世代での支援の授受によって、子のライフコースにおける社会的格差・不平等がいかに形成されるかを大規模縦断データの計量分析によって検討した。その結果、以下の2点が明らかになった。第1に、「親から支援を受けられるか否か」「親に支援をしているか否か」という親子関係のあり方によって、結婚や出産などのライフイベントの経験の機会に格差が存在する。第2に、祖父母からの経済的支援があると、親は子へより多く教育投資をする傾向にあるが、この傾向は親の世帯収入が高い層で顕著である。つまり、祖父母からの支援によって子どもの教育機会の不平等が助長される可能性がある。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では、人々のライフコースにおける社会的不平等・格差がいかに形成されるかを親子関係という経路に着目して実証的に検討した。これまで家族社会学の領域で展開されてきた親子関係研究と社会階層研究を架橋して新たな知見を得たことで、両分野のさらなる発展に寄与することができた。また本研究は、不平等がどのような側面でどの程度生じているかということにとどまらず、なぜそのような不平等が生じるのかというメカニズムの解明に踏み込んでいる。この点から日本社会における不平等の是正のための策を講じる一助となることが期待される。
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