本研究では、祖父母・親・子の三世代での支援の授受によって、子のライフコースにおける社会的格差・不平等がいかに形成されるかを大規模縦断データの計量分析によって検討した。その結果、以下の2点が明らかになった。第1に、「親から支援を受けられるか否か」「親に支援をしているか否か」という親子関係のあり方によって、結婚や出産などのライフイベントの経験の機会に格差が存在する。第2に、祖父母からの経済的支援があると、親は子へより多く教育投資をする傾向にあるが、この傾向は親の世帯収入が高い層で顕著である。つまり、祖父母からの支援によって子どもの教育機会の不平等が助長される可能性がある。
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