研究課題/領域番号 |
21K20194
|
研究種目 |
研究活動スタート支援
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0108:社会学およびその関連分野
|
研究機関 | 茨城キリスト教大学 |
研究代表者 |
西出 朱美 茨城キリスト教大学, 生活科学部, 講師 (80725789)
|
研究期間 (年度) |
2021-08-30 – 2023-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
|
キーワード | 知的障がい児 / 肥満 / 横断研究 / 食事頻度調査 / 栄養疫学 / 栄養教育 |
研究開始時の研究の概要 |
知的障がい児は、偏食や運動不足により肥満児が多いことが先行研究により報告されているが、実際には多動かつ食の細いことによる痩身児も見られる。しかし、痩身児に関する報告、身体状況と栄養摂取状況の関連の報告は少ない。本研究の目的は、日本における知的障がい児の身体状況の分布を把握し、栄養摂取状況との関連を検討することである。 特別支援学校小学部等に在籍する児童を対象に実施する横断研究である。 本研究で得られた知見は、「すべての子どもが健やかに育つ社会の実現」を目指す健やか親子21や食育推進基本計画等、国の健康施策の目標達成に貢献し、将来の医療、介護負担の抑制につながると考える。
|
研究成果の概要 |
特別支援学校18校に在籍の1622名の知的障がい児を対象に研究参加を募り、482名(29.7%)より研究参加の同意を得た。うち身長、体重等の情報取得ができなかった32名を除外し、450名(27.7%)を解析対象とした。結果、高い肥満の出現率(23.9%)が確認され、やせは6名(1.3%)のみであった。肥満児の保護者は、非肥満児の保護者に比べ健康に良い食生活に対する結果期待感が低かったが、栄養摂取状況については有意な差がみられず、いずれの群においても不適切な栄養摂取状況がみられた。身体状況に関係なく保護者の心理的要因も考慮した食育が必要であると考えるが、さらに工夫を施した研究が必要である。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の結果より、知的障がい児の高い肥満の出現率が予想され、早急に改善すべき問題であることが明らかにされた。しかしながら本研究により、この集団の肥満と関連する栄養摂取状況を明らかにすることはできなかった。本研究をとおし、保護者の心理的要因が、肥満児の栄養摂取状況の特性を見えにくくしている可能性が考えられ、これを明らかにするには、質的研究を合わせた混合研究デザインを用いたさらなる研究が必要であることが推測された。いずれにせよ、保護者の心理的要因を増進することも考慮した効果的な食育が、この集団には必要である。この集団の生涯にわたるQOL向上のために、工夫を施し肥満要因を明らかにする研究が必要だ。
|