研究課題/領域番号 |
21K20258
|
研究種目 |
研究活動スタート支援
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0109:教育学およびその関連分野
|
研究機関 | 茨城大学 |
研究代表者 |
石田 修 茨城大学, 教育学部, 講師 (50909926)
|
研究期間 (年度) |
2021-08-30 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
|
キーワード | 重症心身障害 / 心拍 / 人工知能 / 応答評価システム / 重症心身障害児 |
研究開始時の研究の概要 |
重症児は周囲の働きかけに対する応答が乏しく、行動観察による実態把握が困難である。近年、心拍数の変動をもとに重症児の応答を評価しようという試みもあるが、子どもの感覚過敏や心拍の計測・分析の難しさから教育実践で活用するには障壁があった。本研究では、測定機器や心拍変動に関する専門的な知識・技能がない教員でも、簡便に実施できる重症児の実態把握の方法を確立することを目的とし、①非接触式のワイヤレス心拍計測機器と人工知能を用いた重症児の応答評価システムを開発する。さらに、②重症児教育に携わる教員と応答評価システムを用いて、児童生徒の感覚機能や興味・関心などの実態把握に活用し、その有用性について検討する。
|
研究成果の概要 |
本研究では,測定機器や心拍変動に関する専門的な知識・技能がない教員でも,簡便に実施できる重症心身障害児(以下,重症児)の実態把握の方法を確立することを目的とし,企業と連携して人工知能を用いた重症児の応答評価システムを開発した。応答評価システムの開発にあたり,重症児は不随意運動がみられることが多く,計測時にノイズが混入しやすいという課題がみつかった。そこで,生体情報データから体動に基づくノイズを減少させる二次または三次のスプライン関数によるデータ補正を行ったうえで,心理状態に関連した心拍変動と無関連の心拍変動を判定するAIツールの判定アルゴリズムを構築した。研究成果を権利化するため特許出願した。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
重症児は,教員の働きかけに対する応答が乏しいことから,行動観察による感覚機能や興味・関心などの実態把握が困難で,それが教育実践における課題となっていた。本研究は,重症児の応答の評価に人工知能を活用する初めての研究であり,重症児の実態把握に新たな方法論を提示する点に学術的意義がある。また,本研究で活用した心拍などの生理指標の分析・解釈には専門的な知識と習熟が必要で,教員が実施するのは難しいという課題もあった。本研究で開発した応答評価システムを活用することで,重症児の感覚機能や興味・関心を簡便に評価できるようになるとともに,実証データに基づく重症児教育の質の向上に寄与しうる点に社会的意義がある。
|