研究課題/領域番号 |
21K20311
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0110:心理学およびその関連分野
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研究機関 | 日本電信電話株式会社NTTコミュニケーション科学基礎研究所 (2022) 国立障害者リハビリテーションセンター(研究所) (2021) |
研究代表者 |
糸井 千尋 日本電信電話株式会社NTTコミュニケーション科学基礎研究所, 柏野多様脳特別研究室, リサーチアソシエイト (30912878)
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研究期間 (年度) |
2021-08-30 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 自閉スペクトラム症 / 知覚 / 反復単語変形効果 / 順応 / 錯聴 / 神経反応 |
研究開始時の研究の概要 |
ASDは反復提示された感覚刺激に対する神経反応が減弱しないために「順応しない」と捉えられてきた。順応するためには,感覚刺激に対して神経反応が減弱させる機能だけでなく,感覚刺激が提示されるごとに神経反応を適切に調節する機能も重要である。先行研究で,神経反応が減弱しないという前者のASDの順応機能の障害を検討した研究は数多く存在するものの,刺激の度に適切に反応を調整する機能の側面から,ASDの「慣れない」現象を検討した研究は少ない。そこで,本研究ではASDの「慣れない」現象の神経基盤の解明の足掛かりとして,ASDが物理的に同じ感覚刺激に対して多様な知覚を生成する脳機能に焦点を当てた検討を行う。
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研究成果の概要 |
本研究では、自閉スペクトラム症(Autism Spectrum DIsorder: ASD)の「慣れない」現象の神経基盤を解明するための足掛かりとなる知見を得るべく、反復刺激に対する知覚の違いに着目した。先行研究では、ASD者の反復刺激に対する神経反応が減弱しない特徴に着目されていたが、神経反応の変動が大きいという側面も言われていた。我々は、単語の反復刺激を聴覚的に提示した場合の知覚内容の質的な違いに関する神経基盤を検討することとした。 神経基盤を検討する前の予備的な実験として行った行動実験・質問紙調査の結果から、ASD者の「慣れない」現象を丁寧に捉えていく必要があることが示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究成果は、自閉スペクトラム症者の生活上の困難の一つである「慣れなさ」を、感情的な反応の違いではなく、知覚そのものの違いから捉えることにより、そのメカニズムをより深く理解し、対応方法に関する知見を提供することに社会的意義がある。
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