研究課題/領域番号 |
21K20320
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0201:代数学、幾何学、解析学、応用数学およびその関連分野
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
高田 土満 新潟大学, 人文社会科学系, 講師 (50911583)
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研究期間 (年度) |
2021-08-30 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 指数定理 / ループ空間 / Hilbert多様体のC^*環 / 位相的K理論 / KK理論 / 非可換幾何学 / ヒルベルト多様体のC^*環 / 指数理論 / サイバーグウィッテン理論 / ウィッテン種数 / KK理論 / Witten種数 / 位相的K理論 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は,私が学生時代から一貫して取り組んでいる研究テーマである「非可換幾何を用いた無限次元多様体の新しい研究の枠組みの確立」の一端を担うものである.無限次元多様体は,物理などの文脈では自然に現れるが,既存の幾何解析的な手段では研究するのが難しい.本研究では,そのような対象に対して,「解析的な」不変量を新たに構成し,その新たな不変量と標準的な位相的不変量を比較することでその新たな不変量の正当性を論ずる. この研究によって,無限次元多様体の幾何学と作用素環論がより一層強く結びつき,相互作用を起こして発展していくだろう.
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研究成果の概要 |
本研究のテーマは,ループ空間の指数理論を構築することである.ループ空間は数学や物理で自然と現れる無限次元空間であり,その指数理論としては,形式的なものは存在していたが,非可換幾何的できちんとした枠組みを持ったものは存在していなかった.本研究で構築した理論は,「ループ空間の同変解析的指数」を,ループ空間から決まるC^*環のKK群からの準同型として定義する,非可換幾何的な枠組みを備えたもので,固定点公式まで証明できた.今後の課題は,その理論の具体例を解析的に構成することと,K理論的な手法(代数トポロジー的手法)でその指数の性質を明らかにすることである.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
まず,ループ空間の指数理論は,Wittenを初めとして,様々な数学者・物理学者が興味を持っていたが,それを非可換幾何という正当な枠組みで構成したことは,学術的に非常に重要な結果である.その副産物として,Hilbert多様体のC^*環のある種の関手性についての結果を得た.Hilbert多様体のC^*環の定義は非常に自然であるため,そのような結果が出たことは,今後のHilbert多様体の研究において意味のあることである. ループ空間は,数学だけでなく物理においても自然な対象であり,固定点公式の記述で計算能力の高い位相的K理論を用いた本研究は,将来的には物理への応用も期待できる.
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