研究課題/領域番号 |
21K20332
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0201:代数学、幾何学、解析学、応用数学およびその関連分野
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
須田 颯 慶應義塾大学, 理工学研究科(矢上), 研究員 (80912386)
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研究期間 (年度) |
2021-08-30 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
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キーワード | 箱玉系 / Box-Ball System / 確率調和振動子鎖 / 大規模相互作用系 / スケール極限 / 一般化流体力学極限 / 逆散乱法 / 離散ソリトン系 / KKR全単射 / 10-elimination / Slot decomposition / エネルギー超拡散 |
研究開始時の研究の概要 |
大規模相互作用系とは, 巨視的に観測される物理現象を微視的なレベルから解析するために用いられる数理模型の総称である. 本研究では, 確率解析の手法を用いて, 大規模相互作用系から巨視的な時間発展法則を導くことを目的とする. 具体的に取り組む問題は, 一次元非線形系に広く見られる熱の異常輸送現象の数理的手法による解明や, 非平衡統計力学の新しい潮流として注目されている, 一次元可積分系における一般化流体力学極限の厳密証明である.
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研究成果の概要 |
(1)箱玉系の新しい線形化手法である「席番号配置」を導入した。これは、複数ある既存の線形化手法間の関係を与えるものでもある。席番号配置を活用することによって、一般的な状況の箱玉系に対する時空スケール極限が可能になると期待されており、部分的な結果は既に得られている。 (2)確率調和振動子鎖であって、原点に新しいタイプの境界条件を課した場合の巨視的な熱の振る舞いを考察した。コロナ禍の影響により研究を開始するのに遅れが生じ、補助事業期間中に完成はしなかったが、順調に進展している。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
巨視的な物理現象を微視的な数理模型から厳密に導出することは, 統計力学に動機づけられた重要な問題である. 本研究課題では, 具体的な微視的系に関して, その巨視的振る舞いを導出するために必要な数学的道具の構成, またそれを用いた時空スケール極限の考察が行われた. これは, 統計力学的な問題に数学的基礎づけを与えるものである. 「普遍性」の観点からは, 類似した数学的構造を持つ微視的系に対しても同様の結果が得られることが期待されるため, 本研究成果は関連する研究分野に今後の研究指針を与えるものとしても意味のあるものである.
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