研究課題/領域番号 |
21K20336
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0201:代数学、幾何学、解析学、応用数学およびその関連分野
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研究機関 | 東京理科大学 |
研究代表者 |
稲山 貴大 東京理科大学, 創域理工学部数理科学科, 助教 (00907404)
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研究期間 (年度) |
2021-08-30 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 特異エルミート計量 / L2評価法 / L2拡張定理 / 中野正値性 / Griffiths正値性 / 連接層 / L2評価 / 大沢竹腰の拡張定理 / 消滅定理 / L2拡張指数 / 多重劣調和関数 / 乗数イデアル層 / L2評価式 / 正則ベクトル束 / コホモロジー / L2理論 / 大沢-竹腰の拡張定理 |
研究開始時の研究の概要 |
幾何学において曲率という概念は非常に重要である。曲率とは大雑把には計量の二階微分であり、そのため滑らかな計量についてしか定義できない。しかしある種の特異点を持っていたり滑らかとは限らない計量、通称特異計量は幾何学的に自然な設定で頻出する。その特異計量の曲率及び正値性を考えるというのが、本研究の最も大きな目的である。直線束に対する特異計量の理論は非常に発達しており、様々な応用があることも知られている。一方ベクトル束の特異計量については、まだ理論として不完全な部分が多い。そのベクトル束の計量の曲率及び正値性について、L2理論的な手法でアプローチをするというのが本研究の概要である。
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研究成果の概要 |
曲率は幾何学において非常に重要であり,様々な観点から幅広く研究されてきた.曲率は大まかに言えば計量の二階微分に相当する概念であり,通常滑らかな計量に対してのみ定義される.本研究では,主に特異エルミート計量と呼ばれる滑らかとは限らない計量に対して,どのように曲率及びその正値性を定義するかという問題を研究してきた.具体的には,ベクトル束の特異エルミート計量に付随する乗数部分加群層の連接性,計量の正値性とL2拡張指数との関係といった問題について一定の成果を挙げた.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
特異エルミート計量に付随する乗数部分加群層がいつ連接層になるかという問いは,自然でかつ重要な問題である.実際,直線束の場合は,Nadelによって乗数イデアル層の連接性が解明されて以降,複素解析学や代数幾何学において数々の応用をもたらしてきた.特に,特異エルミート計量が単にGriffiths正値である場合は,Nadelの証明方法が直接適用できないため,本質的に新しいアプローチが必要となる.実際私が提唱した予想及びそれに対する部分的な解明は,その後数々の研究者によって研究,改良されている.
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