研究課題/領域番号 |
21K20338
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0201:代数学、幾何学、解析学、応用数学およびその関連分野
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研究機関 | 九州大学 (2022) 早稲田大学 (2021) |
研究代表者 |
後藤 佑一 九州大学, 数理学研究院, 助教 (90907073)
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研究期間 (年度) |
2021-08-30 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | 計数時系列 / 分散不均一性 / 一致性 / 漸近正規性 / M-推定 / 数理統計学 |
研究開始時の研究の概要 |
計数時系列とは、非負整数値の時系列データのことである。近年、計数時系列に対する研究が盛んにされているが、既存研究では、極めて限定的な場合のみでしか、分散不均一性を表現することが出来ない。本研究では、計数時系列に対して、ARMA-GARCHモデルの構造を取り入れることで、分散不均一性を表現することを目指す。これにより、モデリングの幅が格段に広がる。具体的には、地震の発生確率の推定、株価取引回数に基づく金融危機の事前察知、感染症患者数の予測等々の広汎な現象の解明やSNSにおける投稿のお気に入り回数と引用回数を用いた炎上のメカニズムの解析など「全く新しい分野の計数データ」を用いた解析に繋がる。
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研究成果の概要 |
本研究では, ARMA-GARCH modelに対応するモデルを計数時系列解析へ導入するため, 条件付き期待値だけでなく条件付き分散にも自己回帰構造を取り入れたモデルを提案した。このモデルの未知パラメータは、二段階で推定することが出来、一致性と漸近正規性を証明した。このモデルは、今までに提案されていなかった他の検定問題にも適用することが出来ることも明らかになった。具体的な誤差分布を考えた時のモデルの定常性を示すことにてこずっていたが、解決の糸口を発見することが出来た。これらの内容は、準備が出来次第、国際誌へ投稿予定である。さらに、4本の論文を国際誌へ出版し、国内外の学会で発表をした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究成果の学術的意義として, 計数時系列のモデリングの柔軟性が広がることが挙げられる。実際、ARMA-GARCH モデルは, 実証研究にも用いられている実用的なモデルである。さらに、条件付き分散不均一性がINGARCHモデルでは正しく表現できていないため、条件付き分散不均一性を正しく考慮したモデルであるという点にも学術的な価値がある. 研究期間中に出版した論文のうちのひとつは, 統計のトップジャーナルである.
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