研究課題/領域番号 |
21K20339
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0201:代数学、幾何学、解析学、応用数学およびその関連分野
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
奥村 克彦 早稲田大学, 理工学術院, 講師(任期付) (30906665)
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研究期間 (年度) |
2021-08-30 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | ポアソン構造 / 対数的シンプレクティック構造 / ファノ多様体 / 射影空間 / V-normal crossing / Fano多様体 / シンプレクティック幾何学 |
研究開始時の研究の概要 |
ポアソン構造を持つことが多様体にどのような制約を課すか?という幾何学的興味への解答としてポアソン構造の分類と構成という分野がある.従来は退化因子に最もマイルドな特異点を許容する最小限の退化を仮定してきたため,射影空間に極めて近い多様体の上にしか例を得られなかった.本研究は二次超曲面上で退化を制御したポアソン構造の構成法を確立し,さらにポアソン構造の観点から二次超曲面と射影空間を特徴付けることを目的とする.本研究の特色である,退化因子に許容する特異点をどこまで広げるべきか?という視点は,将来的なポアソン構造付き極小モデル理論による分類理論の完成へつながっていく.
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研究成果の概要 |
本研究課題「二次超曲面と射影空間を特徴づける対数的シンプレクティック構造の構成」に関連する研究として、(1)SNC対数的シンプレクティック構造を持つ4次元ファノスクロールの研究、(2)V-NC対数的シンプレクティック構造を持つ代数的スタックのトーリック性の研究を行った。 (1)は一つの種類の多様体を除いて分類を得ている。残り一つの場合が解決し次第論文にまとめる予定である。(2)は元々の予想よりも広いクラスが当てはまることが分かり、予想を改良することができた。一方で、改良された予想を証明するには未だギャップが残っている段階である。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
射影的既約シンプレクティック多様体の構成は古くから興味を持たれているが、新たな構成法を見つけることができていない。本研究はその一般化である対数的シンプレクティック構造の構成法について新たな知見を加えた。SNC対数的シンプレクティック構造を持つ4次元ファノスクロールの研究では、対数的シンプレクティック構造まで拡張してもほとんどの多様体上に存在しないことを示せた。一方で、V-NC対数的シンプレクティック構造を持つ代数的スタックのトーリック性の研究では、新たな例を見つけることができた。とくに後者の結果は今後シンプレクティック多様体の新たな構成法という問の解決に寄与し得ると考えている。
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