研究課題/領域番号 |
21K20373
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0204:天文学、地球惑星科学およびその関連分野
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研究機関 | 北海道大学 (2022-2023) 東北大学 (2021) |
研究代表者 |
杉村 和幸 北海道大学, 理学研究院, 助教 (10773856)
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研究期間 (年度) |
2021-08-30 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 初代星 / 初代銀河 / 初代ブラックホール / 銀河形成 / 星団 / 巨大ブラックホール / 流体シミュレーション |
研究開始時の研究の概要 |
ビッグバンから現在に至る銀河形成史の最初のマイルストーンとして宇宙で最初の銀河 (初代銀河)の形成過程に着目し、その解明に取り組む。本研究では、銀河を構成する星々の主な形成現場と考えられている星団の形成について、最新の研究成果を組み込んで初代銀河形成の大規模数値流体シミュレーションをおこない、次世代初代銀河観測とも連携して新たな初代銀河形成理論の構築を進める。
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研究成果の概要 |
本研究では、初代銀河形成過程を明らかにするために大規模数値流体シミュレーションをおこなった。その際、小スケールの宇宙物理現象に関する精密な理解を組み込むことで、これまでと比べて、より現実に近い形で初代銀河形成過程を記述することができた。 特に、小スケールの現象として巨大ガス雲からの星団形成過程に着目し、最新の星団形成モデルを組み込んだ初代銀河形成シミュレーションをおこなうことで、星団からの遠紫外線輻射によってバースト的な星形成が誘起されることや、バースト的な星形成が起こっている明るい初代銀河においては星団からの輻射が卓越して不規則銀河に分類されることなどを明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、ビッグバンから現在までの銀河形成史における初期段階にあたる、宇宙で最初の銀河 (初代銀河)の形成過程の理論的解明を進めるものである。2021年のジェームズ・ウェッブ宇宙望遠鏡の打ち上げ以降、宇宙初期の銀河観測は大きく進展しており、その結果を最大限活用するためにも、初代銀河理論を進めることが求められている。本研究により、小スケール天体現象の理解を用いた現実に近い形での初代銀河形成過程がシミュレーション可能になり、その結果に基づいて初代銀河過程の物理的理解を進めることができた。一方で、初代銀河の理論的理解にはまだ大きな改善の余地もあり、今後、さらに研究を発展させることが重要である。
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