研究課題/領域番号 |
21K20439
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0302:電気電子工学およびその関連分野
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研究機関 | 国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構 |
研究代表者 |
広瀬 真 国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構, 研究開発部門, 研究開発員 (30908760)
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研究期間 (年度) |
2021-08-30 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 補償光学 / リモートセンシング / MEMS / 形状可変鏡 / 地球観測 / 波面補償 / 空間光変調 |
研究開始時の研究の概要 |
地球周回軌道から地上を高分解能に光学観測する技術のブレイクスルーとして、複数の望遠鏡開口を合成し、より大きな口径の望遠鏡であるかのように制御する、合成開口望遠鏡が構想されている。この構想の核心技術は、地上観測中に開口全域にわたり、数10 nmの精度で波面歪みを補償する手法である。申請者はこれを実現する技術として、空間光位相変調に対する点光源の応答から、単一開口の波面補償を行うSPGD法に着眼した。つまり従来法の観測対象を地表面に拡張し、さらに合成開口望遠鏡の波面補償をも可能とする、新手法を提案する。そして、実験室規模の合成開口望遠鏡を構築し、MEMS空間光位相変調を用い、提案手法を実証する。
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研究成果の概要 |
本研究の目的は、高分解能地球観測システムの実現に向け、軌道上で複数の望遠鏡開口を合成できる波面制御手法を獲得することである。本研究では、撮像シーンの画像特徴量を評価関数として、合成開口望遠鏡光学系が備えた波面補正素子を逐次制御する、モード分解確率的並列勾配降下(SPGD)アルゴリズムを提案した。そして、数値シミュレーションならびにテストベッド実験を行い、提案手法によって波面補正アクチュエータを制御することにより、回折限界結像性能を有する合成開口イメージングを達成した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では、多変数最適化手法であるSPGDアルゴリズムを波面補正素子制御に応用し、波面センサレス補償光学手法を確立した。最適化の際に、波面収差を直交関数列で展開するモード分解手法を導入し、収束の安定化と高速化を達成した成果は、本手法を時定数の短い大気擾乱の補償などにも応用できることを示唆した。提案手法によって実現した合成開口望遠鏡システムが静止軌道に配置されれば、数メートル級の地表面分解能において、指定した陸海域の常時および即時観測が可能になり、従来にない地球観測機能を得ることができる。
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