研究課題/領域番号 |
21K20469
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0304:建築学およびその関連分野
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研究機関 | 大阪工業大学 |
研究代表者 |
今川 光 大阪工業大学, 工学部, 助教 (60910867)
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研究期間 (年度) |
2021-08-30 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 居住者行動 / 環境調整行動 / 適応的快適性 / 住宅 / フィールド調査 / 確率モデル / 季節 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は春季と秋季の居住者行動の差異を解明し、季節遷移による温度変動の指向性を反映した居住者行動モデルの開発することを目的とする。本研究では関西地域の一般住宅において、室内温熱環境の自動測定と居住者による居住者行動及び快適性の申告調査を約2年間、同時実施するフィールド調査でデータ収集し、各季節に応じた居住者行動モデルを開発することで、季節間の差異を解明する。本研究の成果は、温度変動の指向性を反映した環境調整行動モデルの必要性を国内外へ訴える他、住宅の適切な温熱環境の創生のための行動指針や建築温熱シミュレーションのより現実的な居住者行動設定への参考資料として役立つと見込まれる。
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研究成果の概要 |
本研究は、冬季から気温が上昇して夏季に至る「気温上昇期」と、夏季から気温が低下して冬季に至る「気温低下期」の違いが、熱的な居住者行動に影響を与えるかを検討した。このために2021年6月から2024年3月までに住宅18世帯を対象にフィールド調査を実施し、データを収集した。 窓開放とエアコン冷暖房、着衣量に焦点を当てて分析を行い、エアコン冷房と着衣量は上記の季節遷移の違いの影響があったと考えられた。また、外気温を説明変数とした着衣量モデルについて上記期間ごとに算出した。さらに、重回帰分析によるモデル化を行ったところ、どちらの期間もエアコン暖房使用状況に応じて着衣量が更に変化することが明らかとなった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
居住者行動(環境調整行動)の実施は、季節に応じた快適性である適応的快適性の実現に欠かせない要素の一つである。本研究では、エアコン冷房と着衣量について、気温上昇期と気温下降期で差異を確認できた。また着衣量については各期間ごとにモデル化することができた他、エアコン暖房使用状態によっても着衣量が異なることが明らかとなった。居住者行動の研究は、空間運営の方針や建築の計画、建築シミュレーション時の行動制御において、基礎資料として役立つ。今回、これらの季節遷移の方向性の違いと居住者行動の関係性の理解を進めたことで、居住者の適応的快適性の実態に即した快適かつ省エネルギーな空間設計・運用に寄与できると考える。
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