研究課題/領域番号 |
21K20505
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0402:ナノマイクロ科学、応用物理物性、応用物理工学およびその関連分野
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
桶谷 亮介 九州大学, 理学研究院, 助教 (00908890)
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研究期間 (年度) |
2021-08-30 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 光学顕微鏡 / 超解像観察 / ラベルフリー / コヒーレントラマン / 分光イメージング / CARS |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、高い空間分解能で、かつ試料の分子情報を無標識観察できる装置を開発する。開発する装置は、コヒーレントラマン分光法を用いて、試料内に存在する種々の分子情報、及びその空間分布を同時に取得可能とする。無標識かつ分子情報の網羅的な測定により、各分子の分布画像を観察後に選択・取り出し可能である。ここに、コヒーレントラマン信号の飽和誘起を組み合わせることで、空間分解能の向上を目指す。本装置の開発によって、試料の高解像かつ網羅的な観察を可能にし、未知の現象を探索するための有用な手法を確立する。
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研究成果の概要 |
本研究では、コヒーレントアンチストークスラマン散乱(CARS)とその信号飽和を用い、観察後に試料内部の観察対象を指定できる超解像観察法を開発することを目的とした。飽和信号の取得とそれを用いた超解像観察を可能にする顕微分光装置を開発し、評価と測定を行った。構築装置で取得したCARSスペクトルに一部ピーク欠損が見られた。色収差が原因であることを見出し、新たに色収差補正法を開発・広帯域スペクトルの取得に成功した。また、CARSスペクトルの強度依存性を測定し、CARS信号の飽和応答が分子振動モードにより異なることを発見した。これらの成果は無標識超解像顕微分光観察を達成するための基盤となり得る。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
白色光を用いたCARS分光顕微鏡において、信号飽和の励起が可能であることを示した。また、CARS信号の飽和特性が分子振動モードによって異なることを発見した。この成果は、観察後に試料内部の観察対象を指定できる超解像観察法の可能にするための基盤技術となりうる。また、色収差解決のために開発した補正方法は、他の非線形光学顕微鏡にも応用できる可能性がある。色収差によってこれまで達成できなかった、近赤外域の白色光の利用が顕微鏡開発で進むことが期待される。
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