研究課題/領域番号 |
21K20529
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0501:物理化学、機能物性化学、有機化学、高分子、有機材料、生体分子化学およびその関連分野
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
中村 雅明 東京工業大学, 理学院, 助教 (90909384)
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研究期間 (年度) |
2021-08-30 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 状態選別 / 配向制御 / 分子回転制御 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究ではシュタルク効果を利用した分子の状態選別器を用いて、異核二原子分子である一酸化窒素を回転状態選別し、外部電場によって量子化軸を与えることにより状態に応じた分子配向を発現させる。さらに分子が配向した状態から極短パルスレーザーを照射し分子が一方向に回転するようなトルクをかけることでその回転運動を制御する。これまでに報告された分子の一方向回転の研究では分子の配向を区別したものはなく軸の回転のみ議論されていた。異核二原子分子が配向した状態で回転を開始させ、分子が刻々とその配向を変えながら回転する様子をとらえる。
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研究成果の概要 |
異核二原子分子、一酸化窒素の状態選別と配向制御、さらに回転制御を行うためのシミュレーションと装置の開発を行った。他の分子も含めた実験結果との比較により、シミュレーションの精度が増し、また一酸化窒素分子の状態選別のためには実験装置のサイズをすこし大きくすることが必要であることがわかるなど、実験と相補的な役割を果たすレベルに到達した。実験装置の開発については、一部の物品の入手が遅れるなどのトラブルもあったが、実験の要となるイオン画像観測に必要な機材が揃った。現在は装置の延伸も含めて装置の組み立てが進んでいる。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
近年、レーザー技術の発展により分子の量子力学的な時間発展ダイナミクスを捉えることが可能になってきており、当研究室では分子回転の時間発展を可視化することに成功している。ただし、光を用いた分子回転制御は光電場の対称性から基本的に分子の軸方向は制御できても完全な配向を制御できない。これは例えば一酸化窒素のN側とO側の区別がつかないことに対応する。本研究ではシュタルク状態選別器をつかうことにより、配向を含めた回転ダイナミクスの可視化を目指す。分子配向は化学反応において重要な要素であるにもかかわらず、実験的に制御することは極めて難しい。本研究の成果は精密な化学反応制御の発展の一助となると期待される。
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