研究課題/領域番号 |
21K20538
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0501:物理化学、機能物性化学、有機化学、高分子、有機材料、生体分子化学およびその関連分野
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
仁王頭 明伸 広島大学, 先進理工系科学研究科(理), 助教 (60910320)
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研究期間 (年度) |
2021-08-30 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 自己組織化単分子膜 / 電荷移動 / 電子移動 / 分子素子 / 軟X線 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では放射光源から供給される軟X線ビームを利用し、分子素子の導電性を非接触に評価する手法の開発を行う。実験では金基板上に吸着した分子に軟X線を照射し、放出されるオージェ電子の運動エネルギーを精密に測定する。電子の運動エネルギー変化に注目することで、フェムト秒(1000兆分の1秒)程度の極短時間に起こる分子から基板への電荷移動過程を観測する。構造の異なる分子について電荷移動時間をそれぞれ計測し、分子の導電性を評価する。
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研究成果の概要 |
本研究では軟X線電子分光を用いて、分子素子の導電性を非接触に評価することを試みた。分子素子をモデル化した系として、2つのベンゼン環の間のねじれ角が異なるビフェニル分子が金基板に吸着した自己組織化単分子膜(SAM)試料を用いた。作製したSAMについて軟X線電子分光計測を行い、電荷移動ダイナミクスの観測を試みた。実験で得られたオージェ電子スペクトルにおけるスペクトル形状の変化から、ねじれ角に依存した電荷移動時間の変化を見出した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究ではビフェニル分子のねじれ角に依存して電荷移動時間が変化することを見出し、軟X線光電子分光法による分子の非接触導電性評価を実証した。この結果から、分子構造と電荷移動ダイナミクスの関係についての基礎的な知見が得られた。また今後この手法を発展させることで、他の多く分子系について同様の非接触導電性評価が可能となると期待される。
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