研究課題/領域番号 |
21K20541
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0501:物理化学、機能物性化学、有機化学、高分子、有機材料、生体分子化学およびその関連分野
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研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
池下 雅広 日本大学, 生産工学部, 助手 (10908776)
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研究期間 (年度) |
2021-08-30 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 円偏光発光 / 円二色性 / キラル / 遷移金属錯体 / 燐光発光 / 白金錯体 |
研究開始時の研究の概要 |
円偏光発光 (CPL; Circularly Polarized Luminescence) は、キラルな色素が示し得る発光特性であり、3次元ディスプレイやセキュリティーデバイスなどの次世代光情報技術への応用を期待して近年大きな注目を集めている。本研究では、高効率円偏光燐光を示すキラル平面四配位白金錯体の創成を目的とし、その合理的な設計指針を探求すると同時に、分子修飾による発光色調チューニングおよび外部刺激(温度、磁場、電場、力学刺激)に対して誘発されるCPL特性の変化を観測し、新機能・新現象を探索する。
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研究成果の概要 |
本研究では、3次元ディスプレイやセキュリティデバイスなどの次世代光情報技術への応用を目指した高効率円偏光燐光を示す平面四配位白金錯体の創成を目的としている。特に、遷移金属錯体の構造および凝集状態と円偏光発光特性の関連性を精査する基礎研究を行うことによって、高機能性材料を志向した研究に取り組んだ。 本研究成果として、シッフ塩基配位子をベースとした新規キラル白金錯体の開発に成功し、希薄溶液、高分子分散フィルム、無溶媒液体などの種々の状態における高効率な円偏光燐光を観測した。またその他にも、円偏光発光を示す亜鉛、ホウ素錯体の開発にも成功した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では、金属錯体の配位構造に由来するキラリティーに注目し、種々のキラル光物性制御法の開発を目指して研究を遂行した。円偏光発光をはじめとするキラル光物性は、光暗号化技術や3Dディスプレイなどに応用が期待される技術であるが、高効率なキラル光学特性を示す分子の設計指針の確立が求められている。今回は、金属配位平面の配位キラリティーに着目し、キラル構造を強く円偏光発光などの光物性に反映できるユニークな発光性分子を構築できた点は学術および社会的にも意義深いと考えている。
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