研究課題/領域番号 |
21K20618
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0605:獣医学、畜産学およびその関連分野
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研究機関 | 日本獣医生命科学大学 |
研究代表者 |
藤原 亜紀 日本獣医生命科学大学, 獣医学部, 准教授 (40709755)
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研究期間 (年度) |
2021-08-30 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 犬の鼻腔疾患 / 鼻腔細菌叢 / 診断アルゴリズム / 非感染性鼻炎 / 鼻腔腫瘍 / 犬鼻腔疾患 / 鼻腔疾患 / 犬 |
研究開始時の研究の概要 |
日本国内の犬の鼻腔疾患において、我々の先行研究でミニチュア・ダックスフンド(MD)にはリンパ球形質細胞性鼻炎(LPR)が好発であることが明らかとなったが、その病態は不明であり遺伝的因子だけでなく環境因子の関与も考えられている。また、鼻腔疾患の確定診断には麻酔を用いた侵襲的な検査を有するため、正確に診断されていない場合も多い。そのため本研究ではMDのLPRの病態解明・治療応用を最終目標とした一連の研究として、鼻腔疾患に対し①非侵襲な診断法の開発、②LPRの環境因子面からの病態解明を行うことを目的とする。
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研究成果の概要 |
犬の鼻腔疾患には様々な鼻炎、腫瘍などが存在する。それら疾患を確定するためには全身麻酔下でのMRIやCT検査および同時に生検を行うが全ての症例において実施できるわけではない。そのため本研究においては様々な鼻腔疾患と確定診断された症例において、全身麻酔処置を必要としない非侵襲的な検査データを用いて疾患アルゴリズムを作成し、感度・特異度・陽性的中率を算出した。 また犬の様々な鼻腔疾患の病態の一つとして鼻腔細菌叢が関与している可能性を考え、鼻炎の中でももっとも発生が多い非感染性鼻炎、鼻腔腫瘍、正常犬の鼻腔細菌叢を評価し、特定の細菌の変動を得た。今後はそれら細菌が免疫機構にどのように関わるか検討する。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究においてこれまで確定診断には全身麻酔下の検査が必要であった犬の鼻腔疾患において、非侵襲的な検査結果を用いた診断アルゴリズムを使用することによって全身麻酔下の検査を行うべきかスクリーニングができることが明らかとなった。本研究成果は臨床獣医学において非常に有用であり、臨床応用が期待できる。 またさまざまな犬の鼻腔疾患は発生病態が不明であったが、本研究から得られた鼻腔細菌叢の変動は疾患病態に関連していると考えられ、特にもっとも発生の多い非感染性鼻炎においては細菌叢による免疫機構への変化が示唆された。今後原因不明であった非感染性鼻炎の発生病態解明が進むことで、臨床獣医学に貢献すると考えられる。
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