研究課題/領域番号 |
21K20629
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0701:分子レベルから細胞レベルの生物学およびその関連分野
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
齋藤 絡 東京大学, 大学院理学系研究科(理学部), 特任助教 (60907377)
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研究期間 (年度) |
2021-08-30 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | piRNA cluster / piRNA / エピジェネティクス / ヒストン修飾 / トランスポゾン |
研究開始時の研究の概要 |
生殖細胞におけるTransposable Element (TE)の転移は重篤な発生異常を引き起こす可能性があり、その制御は生存にとって重要である。ショウジョウバエを含む多くの動物の生殖細胞は、転移活性を失ったTEの集合領域である「piRNAクラスター」から転写されたRNAを前駆体として特有のsmall RNAであるpiRNAを生成し、配列が相補的なTEの増殖を抑制する。piRNAクラスターの転写にはHP1タンパク質のホモログRhinoが関わることが知られるが、そのゲノム局在機構には不明な点が多い。本研究では、未だ未解明であるRhinoのpiRNAクラスター特異的な局在機構の解明を目指す。
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研究成果の概要 |
HP1 familyタンパク質Rhinoはショウジョウバエ雌性生殖細胞においてpiRNA cluster(以下クラスター)の転写を担うが、Rhinoがどのようにしてゲノム中の特定箇所をクラスターとして樹立・維持・定義するのかは不明な点が多い。本研究では生殖組織体細胞由来培養細胞を用いて、Rhinoがショウジョウバエにおいて報告のない新規ヒストン修飾Xと共局在すること、Xの修飾を担うと考えられる酵素のKDでRhinoの局在が減少すること、等を明らかにできた。XはRhinoのK9me3への結合を増強することでRhino recruitに関わっていると考えられる。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では、ショウジョウバエで報告例のないヒストン修飾XがRhinoと共局在することを見出すことができた。RhinoはpiRNA clusterを定義する因子だが、Rhinoがclusterをどのように樹立・維持・記憶するのかは不明な点が多い。Xの機能と制御を解明することはclusterの定義システムの理解につながり、piRNA経路の源流部分を理解できると考えられる。Xの修飾に関わる遺伝子については既に候補が得ており、引き続き研究を行う。
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